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ギタリストが雇えない−CDでコンプレックスではダメ【質問】 私も実は今、自分で振り付けをしたりしています。まだ完成はしていないのですが、アレグリアスとタラント。まだエスコビージャ位しかできていないけど。本当はシギリージャなんて百年早いことを考えていたのですが、やっぱりなじみの曲のほうが自然にいろいろアイディアがわきますね。 ソロコンパスシリーズも一曲通してのカラオケもできて大変在りがたいです。やはりお金もかかるし、練習の分際でそうそうギターさんとあわせるってわけにはいかないですもの。 【先生の返答】 経済的にギタリストを頼めないからCDで練習する、というのは一つの事実にちがいありませんが、踊り手のテンポに「合わせてくれてしまう」生身のギタリストはかえって厳格なリズムの勉強には妨げになります。 何かがうまく入らない時、悪いのは絶対に自分だ、という確信が持てないと勉強にならないのです。わかりますか?自分かもしれないけど、このギタリストもカンタオールも今一つ信じられないな...という曖昧さがあっては駄目なのです。生伴奏なら誰でも最高、というわけではないのです。 私は、ブレリアやタンゴを教える時に、ギタリストを頼むとかえって振り付けができなくなります。それは、歌やパルマや、その場の盛り上がりの呼吸を教えないと本物のブレリアやタンゴが踊れないからで、フラメンコの勉強にはどういう状況でアレンジを即座にしないといけないか、という機転がきかないと駄目なのです。 この機転の利かせ方を教えるためには本当の状況に一番近いCDがもっとも優れた練習アシスタントになります。 何十人ものパルマ、ハレオに臆することなく、どんなレトラが来ても大丈夫、という訓練を積んでおかないと、どんなに素晴らしいギタリストを雇っても、日頃からギター一本のブレリアなんかをやっていたのでは、いざ、百人の円陣に立った時、泣きべそになるのがオチなのです。 自分がやりやすい所から振り付けしてみて、でも、百年早くたって、日曜日なんかで気分の良い日にシギリージャに挑戦してみてもいいんじゃない?大切なのは、自分の心を励ましてやる事よ。一方で冷厳なまでに自分の実力と課題をきちんと把握しておき、もう一方では近い未来を夢見ながら楽しく何か難しいものに挑戦するのは良い事です。基本は大事、真面目も大切、でも、夢の時間も大事なのよ。 そのための芸術だもの、いつも未熟な原寸大の自分ばかりじゃいやになっちゃうじゃない?夢の中から実力を紡いで行く事だってできるのよ。がんばってね!
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