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2007年01月のセビリア発信・つれづれ草
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●2007年01月31日(水)

バイラオールのフラメンコ


最近、スペインのありとあらゆる若手の踊り手と
交流してみると どうもやっぱり女の踊りが消えつつ
あるんだなと実感する。

昨日もアンダルシア舞踊団の女の子と話していたんだけれど
昔、私達が絶対に踏み込まなかった足というものに
最近は女がどんどん入って行く。
「もう 足のテクニックは男と全部おんなじことをする時代になったのよ」と彼女も言う。

やりたければ やればいいと思うけれど
女の方が絶対に不利なのは
靴に打ってある釘の量があっちのが三倍以上あるのだ。

それとブーツだし。
ブーツだと固定がしつかりしているから
足も安全で難しくない。

女が細いヒールでいくらやっても同じボリュームの音には聞こえない。頑張るほど体を先に壊す。

プランタで飛んでプランタでがっしと着地するなんて
一挙に骨隋に来る。
骨髄バンクに出る前に 患者になってしまうかもしれない。
冗談ではない と思うような技がわんさとある。

こんなのは やるつもりはない。
稽古が終わった後に ものすごーーーーーく体に悪いことしたな
という実感があるようなのは いくら性別の無い時代になっても
お断りだ。

懐古主義ではないけれど
男がバタ マントン、腰をくねくねしない限りは
私達はこちら側で十分だと思う。

最近の女の子達は こういう踊りが出来ない。
足に進出している分だけ 他は確実に駄目になるのだ。

そのうち又 踊りの流れが変わってくると思う。

体に悪い技はやるものではない。
私はそういうフラメンコは 練習する気にもならない。
ましてや、生徒に教えるつもりはない。

大昔のフラメンコは
練習を軽蔑していたのだ。

少しの練習で素敵に踊れるものっていうのが
フラメンコの本当にあるべき姿だと思う

さて、遅れちゃった
筋トレバレエに行かなきゃ

●2007年01月29日(月)

骨髄バンクのイベントー緊急のお知らせー

12月の帰国の際に、生徒から骨髄バンクのイベントに群舞で参加したいと言う申し入れがありました。
四月のシビックホールとその後の神奈川県民ホールです。

参加の条件として 「振り付けセビジャーナス」と「カルメン」合計15分以内出演で許可を出しました。

ところが私の預かり知らない所で
いつの間にかフアンダンゴ、子供だけのカルメン、アレグリアス、ソレアという出し物に変わっていました。

時間数も30分という長帳場で
当然割り当てチケットが二倍に膨れ上がっていました。

私はアカデミーの芸術顧問として 
自分の指揮が行き届かない、
参加者の負担金が最後にはいくらになるか分からない
出し物を黙認するわけには行きませんでした。

それで 全員の意向を聞くまでもなく 
まだ辞退が間に合ううちに急遽、
今回の参加を辞退させてもらうように指示しました。

参加したいと思っていた人達には腰を折られた形になって
これは私としては全く不本意ですが 
失望する前に少し考えてみてください。

この際ですからみんなで考えましょう。

チケットの割り当ては 時間が長いほど高くなります。

三月後半から四月の始めと言う微妙な時期です。 
残業で練習もままならないかもしれず、
落伍者が沢山出るかも知れないのに
初期の予定の二倍のチケットを
残った人で再割り当てをしないといけないものは 
きっと抜き差しならなくなります。

参加人数が確定しないのに 
チケットだけは
割り当て420枚などというのは とても危険です。

そういう理由で、
舞台経験とプロデューサーとしての概算が
頭に浮かぶ 「私の専門職の良心として」
みんなの意見を待たずに ストップさせました。

まず この経緯を良く理解してください。

次に出し物です。

アレグリアス、ソレア、フアンダンゴなどという練習曲は
そのまま たとえばスタコンに出るのと同じ気安さで出ようとしては大間違いです。

私が何故、最初にこれらを候補に入れなかったかわかりますか?

@
シビックも神奈川県民も 日本有数の大劇場ですから
普段の稽古でやっているものをそのままでは絶対に出すことができません。スタコンや1000人級の劇場とは訳が違います。

どう違うかと言うと まず客席数です

神奈川県民ホールというのは言わずと知れた
NHKホールを手本に作られた 日本最大級の大ホールです。

キャパはざっと2500席 
オーケストラピットまである、
一番最前列の客席ですらはるか遠い、というくらいの舞台です。

舞台面の奥行きだけでも10メートルは越します。
舞台幅は20メートル余りでしょうか。

ここに例えば10人の中級とか初級が
スタコンのようにして出て行って
ただ丸ごと踊っても仕方ないのです。
こんなものは誰も見てくれません。

オペラで何百人、
バレエでコールド100数十人と言う出し物用に作られている舞台に出るには 
ボリュームと演出、音響と見せ方に
相当の工夫をしないと 
それなりの物として鑑賞に堪えるものにはなりません。

A
その次にこうしたフラメンコナンバーをプログラムとしてしまうと当然、共演アーティストのギャラがかかってきます
CDでは済まされません。

大舞台の場合には 共演のギタリストも歌い手も当然
ギャラが最高額に跳ね上がります。
いつもの同じ人でも ギャラはやる場所で違ってきます。

曲が少ないからと言い訳しても、大劇場に出かけて行く責任とカテゴリーで決まるので 安くは済みません。

420枚の負担チケットの上に
大舞台時にスライドされたギャラが頭割りになります。
この辺で総崩れになりませんか?

B
かつ、間口が20メートルもある大舞台に まさかギタリスト一人 歌い手一人では間に合わないです。
これで強行すると とても肌寒い物になりかねないです。

バックアーティストは あなた達がベテランの踊り手でないのでしたら五人は必要です。=当日のギャラだけでも天文学的になります。

C
それプラス この人達と練習しないで出るわけには行きません。=五人分のリハーサル代X時間数X日数です。

以上、当初にセビジャーナス、カルメン
あるいはセビジヤーナスだけと条件付けたのは以上の@からCまでの経済的な負担を回避するためでした。

私はダテに舞台経験を踏んでません。
芸術顧問の指示は聞くものです。

おそらく そこまで頭が回らないので
踊り曲として上がっているあれが自由に踊れる!
の一念だけで飛びついてしまったのか 希望を入れて
行くうちに脱線して行ったのかと推測します。

今後はこういう事の無い様にしてください。

....................

{CDで踊れる最高の効果が示せる物について}

振り付けセビジャーナスというのは「なんだあれか」では済まない大きなイベントとしていくらでも知恵を絞ることができる唯一のナンバーです。

舞台の方向<対角線や色々な構図を駆使し、
中級、初級生のバタデコーラやマントンも交えた衣装のバリエーション、ソロ、演技を加えた
スペクタクルに仕上げる事ができます。

花道から登場したり、
おそらくあなた達が考えられないようなありとあらゆる舞台上の手腕を尽くすことができるのです。

それでいて いつものセビジヤーナスに変わりはありません。
曲もバージョンもずっと見ごたえのあるものに仕上がりますが
その実は普段みんなが踊っているセビジャーナスなので

@練習が最低数時間でできる=1日で終える事も可能 
Aギタリストと歌い手を雇わないで済む=CDである上に大劇場でも鑑賞に堪える大効果で 生演奏よりボリュームを出すことが出来る 
B時間は15分以内の参加で済む=一人当たりのチケット負担が最小で済む

以上の事を即座に判断しての決定でした。

むしろ、普段の食材でどんなに立派な料理に仕上がるかを
体験することで より舞台芸術の真の演出と振り付けの大切さが分かるいい機会だと思いました。
私の狙いは むしろこちらの経験をあなた達にさせることでした。

最悪、仕事で抜ける事が重なっても
それほどには打撃なく、無事華やかに作ることができます。

こういう経済面でも精神面でも負担の少ない、
自分達の気持ちの赴くまま ギタリストの予定や
弾き受け手が無いままに宙ぶらりんにならないでも済むものという曲は 一つはできていた方がいいと思います。

CD一枚を持って 踊りとしての構成だけが命で
日本有数の大舞台を少ないチケットノルマで経験することができたら、
それは確かに 1000人級舞台とは又違った
面白い経験になるので とても意義のあることだと思いました。

取り組み方も 
出し物も 
見せ方も違う別のイベントとしての経験を踏むのに 
本当はとてもいい機会でしたが....

良く分かりにくい人は 三回くらい読んでみてください。
沢山の事を言っています。

私が伝えたいと思っている多くの事の一つです
とても大切な事ですから しっかり理解してもらいたいです。

次の機会に今回の経験を踏み台にして大輪の花となるよう
期待して。

●2007年01月26日(金)

スペインのプロコース

スペインの踊りの振り付けクラスというのは
世界中の教師や振り付け家でひしめいている。

勿論 現地スペイン人のプロもいる。

でも、本国や舞踊団の仕事をやりくりして来ているからあっという間にみんな帰って行き、
新人が入れ替わり立ち代りだ。
一曲がまともに完成するのを見る暇が無い。

12月のクリスマスでほとんど全員帰国してしまったので
1月のクラスはなんと三人になってしまった。
これから春になるまでは 中々増えないに違いない。

私は本当は止めようと思っていたのに
先生の落胆を思うと止めれない。

アンヘルは本当にいい振り付け家なのだ。
物凄く懇切丁寧なのに どうしてこんなに人が来ないだろうと
不思議なくらいだ。
宣伝が足りないのだろうなと思う。

もともと振り付けしてもらいたくて行っていたのではないから
ー何かのヒント、何かのアイディア、有酸素運動ーと言う目的の私は、復習なども全然しないで風まかせにしていたのだけれど
三人になってからは毎日
クラスの前後にぎっしりと予復習して行く。
先生に申し訳なくて 手ぶらでは行かれないのだ。
熱が出ても休めない。

最近の彼の懇切は極みに達していて
もう私に名指しで色んなチェックが入る。
個人レッスンになりつつある。

先に進もうとすると 私が停止提案したりもする。

いや、ここの一連が未整理だからもう進むのはやめて
今日は徹底的にやりましょう お願い!と言う具合だ。

進んで欲しいという提案は 先生に対しておこがましいけれど
徹底的にきちんとここまでしごいて、というのは失礼にはならない。

「アンヘルーーーー、このあなたの振り付けを踊るのは私一人よ
山盛りのアイレで踊って見せてあげるからーーーー!」と言えば
彼は 冗談の下に隠れている私の真意を即座に理解して
むぎゅーーーーーーっと抱きしめたりする。

僕は本当、一人でいいから誰かにちゃんと踊ってもらいたいよ、
そう言っていたのは今年の初めだ。

習う側というよりは
教える側としての同情に堪えない私です。

いいんじゃないでしょうか、こういう練習の仕方も。
人情に絡まって上達というのも 又 良いあり方です。

自分一人の自由になると 怠けたり わき道にそれたりするものです。

朝起きるなり クラスの事を思って少し憂鬱になるくらいの
緊張が一年くらい続いた方が幸福かもしれないです。

さてと、進むと30コンパスくらいすぐに行ってしまうので
結構これを潰すのが大変。
潰しに行ってきますーーーーこれから。
間でお楽しみの昨日のフェッテを挟みながら....

皆さんも良い1日を!

●2007年01月25日(木)

みぞれ降る寒い日

南国のセビリアのはずなのに
今朝は車の窓が全部凍っていた

筋トレに行くには辛すぎる
途端に気持ちがひるむ
嫌々とまでは行かないけれど
少し「気持ちが捻挫」したまま行くと
うちのスタジオと違って暖房の設備なんか皆無の
バレエスタジオは 北極のように寒かった

おおーーーこんな状況下でも稽古するか!
という気分で笑えて来る。
しっかりバーをやるからたちまち汗

すると気分はすぐれてくる
稽古はやっぱりやる気の無い
天気の悪い
元気の出ない日こそ素晴らしい

なんと憧れのフェッテがセンターで軽く六回転もできた。
死ぬまでに32回転とは言わないけど八回きれいに決められたら
本望!と思っていたんだけど
こんなにすぐにできてしまうのだったら
20回くらいは目指そうかなと思った。

還暦までに32回転も夢ではないかもしれないと
気持ちは大きく膨らんだ。
黒鳥のアダージオもコピーしちゃおうかなと
天井知らずに 気分が高揚した。

フエッテなんかできたからって何でもないのだ本当は。
人がしていることだったらね

でも自分ができるっていうと話は別だ。
私はフラメンコダンサーだからフエッテは別にできなくていい。
趣味でできるようになりたいと切望していた。

これ、センターで続けざまにやるのって結構苦しい
バランスと重心と勇気がいる。

バレエも筋トレもリハビリの段階だったはずなのに
いきなりこういうことができるようになる。
休暇中でも体は覚えていて
次の稽古のときにどーーーーんと躍進することもあるんだな!

嬉しい発見!
ルンルンルンだ、あっははーーーー

●2007年01月22日(月)

踊ることの楽しさ


最近 筋トレとバレエを復活させてフラメンコを入れると
日に六時間くらい訓練している。

朝はレモンとエクアドルの不思議な木の実を漉したものと
くるみなんかを補給している。結構おいしくて素敵な飲み物だ。

一旦 訓練を中断したダンサーの復活トレーニングは
何日と何ヶ月にどういう栄養とプログラムで回復するかが
研究できる。自分は実験台のモルモットなのだ。
なんだかわくわくする。

朝の筋トレが嫌で仕方ないけれど これさえ終わると
あの素敵なレッスン曲でバレエが待っていると言い聞かせて
頑張る。
バレエレッスンは楽しい。筋肉のすみずみまで伸びて
鍛えられるのが体感できる。

ピケやシェネの訓練が大好きだ。

三回転目をロンデジャンプにして広いスタジオを横切っていく時
生きていることの幸せ、というくらいの壮大な気持ちに励まされる。
寒い朝にちぢこまって始めるレッスンは昼になると太陽が輝き始めて 午前のフイニッシュを決めて外に出ると 本当に清清しい。
ああ、踊る肉体よ 最後の最後まで訓練の中で人生を閉じようと思う。
病院の決して開かない窓辺や
孤独で何もできない自分で人生を締めくくりたくない。
できうることなら 筋トレ中に心臓麻痺とか
回転中に老衰とかで天国に召されたい。
これ、ダンサーの本懐というものだ。

幼少の頃に胸に入りきれないほどの舞踊への憧れを
抱えていたけれど 
今でも同じくらいに憧れと夢に
息も忘れそうになる。

大切な物はみんな無形なのだ。
踊れるということも無形だ。

踊れる肉体...
明日も太陽が真上に昇ったとき、
真一文字に来た自分の人生に感謝を捧げて
初心者のような憧れでいっぱいになろう!

月曜日は怖くない!
楽しみ!!!!

皆さんも どうか踊り続けて。
今、つまらなくて 辛いと思っているあなたも
踊りは裏切らない、
絶対にやっただけ上手になる

不合格の無い試練
外れの無い宝くじ
絶対に報われる愛情
失望の無い恋

これだけ保障してあげたんだから(笑)
 頑張って、あなたも!

●2007年01月21日(日)

言語について


スペインのオリンピック選手だった人と知り合いなのだけれど
ー新体操の選手ー
この素晴らしい引退選手に現役時代の
訓練について 色々聞いて とても得るところがあった。

コーチは世界選手権を軒並み金メダル獲得した経歴の
輝かしいロシア人だったと言うのだ。

これ以上望みようがないコーチ
世界最強のロシア
しかも暦年の金メダリスト

「どんなだった?素晴らしかった?」
意外な言葉が返って来たのだ。

非常にまずかった、とても続けられなかった、と。

オリンピック委員会でも気付いて その後二年くらいで
スペイン人のコーチに代わったというのだ。

「どうして?何が駄目だったの?」

新体操の本場のロシアでも、言葉が的確に通じ合えないと
臨戦態勢を組んで激戦して行くことができなかったと言うのだ。

どこがどうまずいか、とか 細かい指導や工夫、励ましが無いと
選手は戦って行くことができないのだという。

同じ言語をちゃんと話せる 理解できる人でないと駄目だというのだ。

このコーチより経歴が落ちるとしても
優秀な同国のコーチの方がずっと 
彼女のいい物を引き出してくれたし、
細かい工夫や助言が 即、参考になったと言うのだ。

芸術と音楽に言葉はいらない、みたいに思っていた私だけれど
芸を磨いて行くときは どうもそうではないらしい。

言葉がよく通じないために 時間がいっぱい無駄になる。
刻限を切られて 精進しないと間に合わない 世界一流の選手は
特に 即効で通じないと手遅れになるのかも知れないと発見した。

なるほど....何でも分かっているような気がしていても
まだまだ 人に聞いて始めて合点することがあるものだな。


同国人の親身の指導の方が
金メダリストの本場のコーチより有難いというのは
何となく しみじみと心に残った。




●2007年01月19日(金)

ピリ・オガージャ

昨日、ホアンからいただいた招待券を無駄にしないよう
レッスンの直後に一生懸命セントロに飛んでいった。

ホアンのお姉さんのピリとその旦那さんである
弾丸のような足のアンドレス・ペーニャの公演だった。
夫婦の息がぴったり合っていて素晴らしかった。

アンドレスは うちの秋葉のあのマルテイネーテの振り付けのご本家です。

彼のマルテイネーテは凄かった。
バストンと両方だったけれど 信じられないような速さで
弾よりも早く!
そんな超人技で 
やっぱりこういうものはこういう人に任せておいて 
私は違う物に専念しようと あらためて思いました。

ピリと言う人の面白さは、こういう旦那に鍛えられているから
本筋はホアン・オガジャのラインなんだろうけど
あの優雅さにアンドレスの足が入る感じだ。

私の好みとしては 優雅は優雅に徹して
バタの合間にいっぱいの弾丸はどうも不釣合いで
落ち着きが無い。
勿論、全部できるというのは出来ないよりずっと素晴らしいから
このアーティストはこれで十分個性的だ。

でもバタデコーラの踊り手はもう少し優雅でないと
せわしない。

アンドレスもピリもとても小柄なので
つくづく小柄な人の踊りっていうのは
動きが早くて多いな と言う感想を持った。

ホアンの場合は逆に動かなくて 
共演していると焦り狂うくらいだ。
長身の場合はこのほうがずっといい。

動くのも とまっているのも 凄いリズム感が同様に必要だ。

楽屋を訪ねたら
ホアンの奥さんが小さな夢のように美しい女の子を抱いて
入ってきた。ホアンの奥さんは踊り手で
ソロコンパスシリーズのフアルーカを録音しているマヌエラ・リオスです。
カバーの通りの物凄い美人だけれど 
その美人とあの素敵なホアンの娘だから 
本当に夢のようにかわいい つぶらな瞳の少女でした。

「生まれてから一度も夜を徹して寝てくれない!」と
ホアンが嘆いていたその娘は 目が離せないくらいに美しかったです。思わず笑ってしまいました。
夜に目を閉じない 美少女=パパはよれよれ...

●2007年01月14日(日)

フラメンコー更新か死かー


去年の暮の最終稽古の辺りでは
プロクラスの受講者が相当に落ち込んでいた。

振り付けのスピードが速い上に かなりの難易度なので
復習がよくできていないとクラスで自己嫌悪になる。

ところが常時四曲は新曲を抱えている私達は
満足に復習に時間が取れない。
振付家に合わせる顔も無いまま稽古に出るという状態が
だんだん苦しくなってくる。

この辺の心理状態はきっと私の生徒のそれなんだろうなと
良く理解できた。

先生の方の気持ちもよく分かる。
アンヘルが言う
「せめて一人、一人でもいいからちゃんと踊り上げてくれる人が欲しいよ、僕は」
....今年のレッスンでは 彼のこの思いが私に集中しているので 毎朝、バレエの後にきっちり復習して行く。

去年は モダンなフラメンコって何て複雑なんだろうと思ったけれど 今年はかなり楽になった。慣れて来たのだろうな。

アンドレス・ペーニャみたいな足はやっぱり彼だけに譲って自分の芸域には入れないに限ると思っている。
でも これを生徒に紹介したのは 良かった。生徒のがずっと熱心で健気に取り入れてくれたから。12月のスタコンでの頑張りで踊った生徒たちへの私の評価がずっと上がった。
これは私にとっても 幸せなことだったのだ。

息もつけないような難解な足も 去年は沢山やってみたけれど
これらは 私の好みに合っていないし
様々な系譜のフラメンコも
アンヘルとかオガジャが自分のラインの許容線だと感じた。
あれなら やってもいいなと思える。

昨日、ある著名な評論家の夫妻と食事をしていて
私の芸風をみんなでざっと分析していたのだけれど
ここ近年の芸域はやっぱりうんと若かった頃より
深くなっているね、と言われた。
ビデオを見ると明らかに若かった時のがザツなのだ。

私に限って言えば 若さ=最盛期にはならない。
イサベル・バジョンのような人でも若い時はつまらない踊りをしていて 今のがずっと魅力的になっている。
彼女の昔を知っているので どれほど努力したかが良く分かる。

先の評論家が言う
「僕の爺様がいつも云っていたよ。更新するか 死ぬかしかないんだよって」

....潔い いい言葉だ。よく噛みしめて行こう。

●2007年01月11日(木)

新年の稽古始め

私が敬愛してやまないアンヘル・アティエンソ(振付家)の
クラスが開始して、前の時間をちらっとのぞいてのけぞった。

広いスタジオに生徒が二人しか居ない。

稽古場を立ち上げて一年の彼の心中
いかばかりかと 私は辛い気持ちがした。

二人の生徒だけれど 汗みずくになって稽古をつけていて
更に辛い気持ちがした。

昨日の1日目は 彼はめちゃめちゃ機嫌が悪かったと
聞いていたけど 今日は気持ちを転換させて頑張ることにしたのだな、と推察。

上級とプロのためのクラスに
一人間違って入っているんじゃないかと思うような日本人がいる。
このクラスに通うと主張すれば 
駄目とは言われないから
選択は本人の意思に委ねられるのだけれど 
「コンパスがゼロなのだ」と本人も言う。
ずらずらと理解もしないで
リズムに入らなくても振りをつなげていく。

アンヘルは こういう人にもとても親切で
言っても無駄だと思うような注意をいつも何度でもしている。
私は頭の下がる思いがするのだけれど
昨日の更衣室で この彼女がこう言う。

「もう一年ついているけれど あんまりきつい言葉ばかり投げるので 彼のクラスを辞めようと思っている」

私は愕然としてしまった。

私の生徒の入門レベルアップくらいの力しかないような
舞踊の基礎も全く無い、スペイン語もよくできないような
そういう人が上級クラスに出ている。

アンヘルが いちいちクラスを止まって
気遣いしてあげているのを
私は毎回 感じ入っている。

この人は それに感謝しない。

しないわけが無いだろう!!と思うのだけど しないみたいなのだ。
その上逆恨みと来たら 本当に教師は立つ瀬が無い。

アンヘルはまさか 夢にも想像していないだろうと思う。
知ったら 経営をやめてしまうかもしれない。
そのくらいに衝撃は大きい筈だ。

私はわが事のように 辛い苦しい気持ちに押し潰れた。

自分の生徒にだって きっとこういうことが無数にあるんだろうな、と思うと 身体的な苦痛すら覚えて呆然としてしまった。

「ねぇ、あなた 彼ほど親身な教師は中国にも北極にも居ないわよ。こんなに懇切丁寧で しかも年初で生徒が数人しかいなければ 有りがたい!チャンス!と思って受けないと」

彼女の教師への不満をたたえていた顔がすっと表情を消した。
それは私の言葉を理解したからだとは 思えなかった。

昨日の朝、ジムのコーチが言っていた言葉を思い出す。

「僕はこの仕事はもう続けられないという気がしているんだ。
自分のプロとしての知識を傾けて、いくらプログラムしてあげても人がいう事を聞かない。
僕のプログラムに口出しして好きに重さを換える。
本人のためにならないのに理解させることが無駄だと思うと 顧客を失うわけにも行かないから 好きにさせてしまう。なんていうか、売春婦になった気持ちになるんだ。こういう風に意思を曲げて おもねるって 一種の売春だよね、プロとしての」

一昨日、この告白に打ちのめされたばかりなのに
夕べは これ。

きつい滑り出しです



●2007年01月09日(火)

フアンダンゴ・デ・ウエルバを習っている。
えーーーー!!??と言う気がしなくもない

でも、古いアイレに溢れたいい振りで
こういう初歩のような曲でも 今更ながらに驚かされる
数々の工夫があったりする。

ソレアのエスコビージャを見直している。
今日は 相当苦労して 素敵なものを作った。
書初めみたいに 清清しい気持ちがする。

夜になってへろへろしながら
ついにジムの門をくぐる。

専属のコーチをお願いした。
厳しくプログラムしてくださいと頭を下げる。
明朝九時から毎朝通うことにした。

いよいよだ。

筋肉を一から鍛え直す。
バレエと 柔軟を再開する。

手首を引っ掛ける鉄を使って
体を伸ばす試みも明日からしてみる。

新しい事でぎっしりだ!

初心に返って 私は明日から一日中鍛錬に脇目も振らないつもりだ。

筋トレを うっかり止めてしまって
「おお、しまった!!」になった後に何ヶ月かかって
建て直しができるのかの研究もできる。

サッカーの一流どころの選手でも
引退するとたちまち 全部崩れるのだとコーチが教えてくれた。

ああ、人気の無いバレエスタジオに一人立って
まるで何も出来ない人のようになって明日から始める事の
なんと不安で辛いことか....

何でも止めるのは簡単
再開はとても難しい

ほとんど勇気が要る。

さてと、勇気 ふり絞って頑張るかな、明日から....

http://www.flamencoole.com/

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