●2007年05月28日(月)
ピアノコンサート 私の掲示板でピアノを買うの買わないの、という話題が続いた時に、色々助言を戴いた中で コンサートピアニストとして活躍中の方から投稿を戴き、 毎日のように楽しいメールのやり取りを続けた。 この時の面白いお話は 今度折に触れて書いて行きたいけれど 先週、この方からお電話いただいてコンサートに招待していただいた。 松村ミエさんというのがご本名です 匿名にするのはアーティストの場合、話が前に進まないので ここ一気にお名前が出ます 名前を売るのがアーティストの本命だし.....笑 なんと セビージャのロペ・デ・ベガ劇場で アルベニスやグラナドスの名曲のほかに フラメンコとの融合で バイレはホアキン・グリロを迎えているというので とても楽しみにして出かけた。 ピアニストに容姿は関係ないけれど 長身で色白のミエさんが舞台に出ると フラメンコダンサーが出てきても引けを取らない。 ああ、良かったと胸をなでおろす。 やっぱり踊りが出てくると視線がそちらに釘付けになってしまうから 大丈夫かなと心配だったのだけれど まずまず主役を取られずにー舞台の視覚としてですよー 済んだのは良かった。 ホアキンは素晴らしくて 二部のソレアの辺りで 何のコンサートだかうっかり忘れてしまうくらいに引き込まれてしまった。 ピアニスト側の招待客としは けしからんけど、 やっぱりフラメンコは 激しくて人を引き込んでしまうから仕方ない。 みえさんが再び現れてソロになるとほっとする。 フラメンコのバックアーティストが五人も舞台に並んでいると ピアノが落ち着いて聴けない。 私がフラメンカだからだろうか。 みえさんのピアノ、素晴らしく 別の機会にピアノばっかり嫌になるくらい聴いてみたいと思った。 舞台のライトを一人で浴びて 恐るべき速さで鍵盤を打っている姿と音色は ごちゃごちゃのフラメンコ無しでは 白鳥のように美しいし、もっと集中して見ていたい気持ちがした。 この日は私のお友達のレオノールが出ていたし 彼女が舞台に出てくるとやっぱり職業上、 私は踊りに目が釘付けになってしまう。 レオは傍で一緒に稽古しているときより遥かに上手くて驚いた。 この踊り手は 相当クラシックをやっていてフラメンコの方が不得意かもしれないというくらいの芸の割合だけれど、出がヘレスなんだそうで なるほど、とうなづいた。 クラシック臭が表に出過ぎないでフラメンコのアイレがちゃんと出る。ヘレスの人は こういうメリットがある。 楽屋にお礼とお祝いを言いに行ったら 「フラメンコってがんがんマイク使うので困惑しちゃったわ」 とミエさんが言う。 クラシックはマイク無しなんだそうでーそういえばそうですよねぇーモニターからの跳ね返しの音がナマの音をかき消して自分のピアノの音として聴こえるのは ものすごくやりにくかったと言う。 なるほど.....機械の音が聞こえて来ると自分の演奏が本当には分からないから 調節もできないだろうなと思った。 フラメンコというのは マイク無しでやれる箱が本来なのだから劇場というのが そもそも違うんだなとあらためて思った。 色んな事を考えて またへとへとになって帰宅。 どうして こういつも職業根性が先行して無心に楽しめないだろうと(笑) 思う私でした。
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