●2006年06月30日(金)
フラメンコの起源について ホアン・ラミレスの踊りから ジプシーの放浪を感じ取ってもらえて嬉しいです。 彼らはスペインのからからの大地を放浪して 聞こえて来るのは 馬のひづめ 馬車の規則的な音 その果てしなく続く 掛け合い。 ここからフラメンコの厳格なリズムは 彼らの魂に宿ったのだと言われています。 上げていくリズムも落としていく時の絶妙で 抑制の効いた リズム感 そういうものは 勿論何世紀かに及ぶ 彼らの生活環境から生まれています。 コントラに入れてみようかな、というのは こういう生活から生まれるだろうし 多くの鍛冶屋を出した民族だから 鍛冶の合間というものに 無感覚で居ないはずです。 餅つきの合いの手のようにして 鉄を打ちながら リズムを入れるはずだし 歌が歌われて マルティネーテになります。 フラメンコがどこから来たのか それは私がレッスンで何度も言っていることだけれど ラミレスを見れば それが目を射抜いていっぺんに分かる。 基礎、基礎、と言っても 本当にはフラメンコの基礎が何なのか 分かることができない。 あれを見れば すぐに分かる。 イベリア半島を吹き抜ける砂の混じった風まで 想像する事ができる。 理解の先の想像まで辿り着けるということが大切です。 分かったからって明日に踊りが飛躍するわけではないけれど くっきりとした理解と映像が頭に叩き込んであるのと ないのとでは 絶対に今後が違って来ます。 分かっている人と解ってない人は 絶対にどこかの道に差し掛かった時に違うのです。 日本はおろかスペインにも ああいうものが見れる人達がいない。私が持っているのだから 見て欲しいです。 限りある肉体が滅んでいくと どんなに素晴らしいアーティストだったかの語り伝えしか残らない。 ああ、あの素晴らしい人達.... それを知って欲しいです。 フラメンコの多様性とは何なのか 何を言っているのか もう解ったでしょう? つまり それです。 私が伝えたい事は。 手首のしなり具合だけではないのです。 あとのお話は 今日から毎日。では。
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