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2006年07月のセビリア発信・つれづれ草
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●2006年07月30日(日)


教材について


必携 必修CD&DVDは,
必ず持ってください というのは言いにくく
持たなくてもいいですが、と言う生ぬるい言い方は
これも正しくないです。
目下スペイン通貨がうなぎのぼりなので
もしかしたら一枚売れるたびに立て替えた分だけ損が出ます。 
それでも みんなに持って欲しいと思っています。
ここの微妙さを理解して欲しく、一筆まいります。

うちは美容院のシャンプー売りとは違うので ここではっきり主旨をお話しておきます。

舞踊研究会は生徒の自治で運営されてい、教材は私が儲けるためでも
生徒会がビジネスするためでもなく 全くの好意と善意と無償の奉仕で
取り寄せています。

現地から原価で、送料も為替損益の負担もなしに分けてあげています。
そのために私個人が沢山の為替損益を負担することもあれば
研究会が負担することも往々にしてあります。
決して生徒の負担にすることはありません。
これは目に見えないので誰からも感謝されることもありません。

では何のために そこまでして教材を提供するのかと言うと
本当に正しく上達して欲しいのが研究会と私の真の目的だからです。

腰掛程度にしかやりたくない人もあるでしょうが
そうでない人も沢山います。
例えば私の集中レッスンを取らないで減らしてもいいですから
教材を聴くなり、見るなりして本当のフラメンコは
どういうものなのか補って欲しいと思っています。
つまりスペイン留学の代わりです。

スペインの全ての教室と多くのプロが愛用している
正真正銘に優れたCDとDVDだからです。

目に見えないと感謝のしようもないでしょうが
例えば集金でも 調査でも 在庫管理でも
全部 あなた達と同じ会員が みんなのために
無償でアルバイトでも何でもなしに時間と心を割いて
やってくれています。限りなく原価でみんなの手に
渡るためにです。

私は、というと生徒名簿の全部に目を通し、
出席 欠席、進度の全てを考慮してこの人にはこれ、
このグループはこれ、というようにプログラムします。
例えば昨夜10時間かかっています。勿論これも無償の
善意です。誰も私にギャラを払ってくれるわけではないです。
挙句に帰国前に自分のスーツケースに入れて持って帰ってあげたりします。
別送にした場合、送料を間違って少なく言ってしまったら
もう面倒なのでその分は出してあげてしまいます。
ですから 私に対しても、インストラクターに対しても
誰にも美容院で売りつけられるシャンプー、クリームの
ような態度は間違ってもしないで下さい。
それから年に一回の夏の総会には出てください。
私があなた達の顔を見たいからです
普段どのように運営されているかちゃんと知って欲しいからです。

身近な例では
これから皆さんがミニコンで着る貸衣装は
お金が無い、出しにくい入門のために全部
私が立て替えて買ってあげたものです。
100着以上あり、数百万円という金額です。
一万円だの一万五千円で一体何年したら
買ったお金が戻るのか分からないくらいです。
お金を出すたびに 何かの対価を払っていると
勘違いされては困ります。

まとめてくれるインストラクターにも
メールを回してくれる他クラスの会員にも
どうもお世話様、ありがとう、と言う気持ちを忘れないで
ください。
このような無償の奉仕に支えられて
色々な本式の事が無料で あるいは安価で簡単に受けられるようになっているからです。

うちのスタジオのどれもが
ビジネスとして営利追求するために起こされたものではなく
フラメンコを正しく正統に伝授して行きたい夢のために出来たことを忘れないで下さい。

入りたての人は 入会の規則もアカデミーの成り立ちも斜め読みにすると思いますが
そうして数々の掲示物もぼうっと見るともなく見て意識希薄でしょうが
以上の事は決して忘れないでくださいね
そうでないと、私は
家族を置いて遠い 辛い飛行機に乗るのが 一回でも我慢できないというものです。
そこの所を皆さん、正しく理解していてくださいね

芸術監督・顧問   友繁晶子




●2006年07月27日(木)

ああ ファミリア・モントージャ!!!

トリアーナの生粋のジプシー一家だ。
私はこの人達との縁が浅くない。

タブラオ時代にずっとカルメンやカルメリージャと一緒だった。
気性の激しい人達だから お付き合いは難しかったけれど
ためになるヒントも沢山いただいた。
カルメリージャのブレリアを毎日毎晩見たものだ。
そう、同じ舞台のフィンデフィエスタで。

夏の夜 出番の合間に小窓に寄り合って
昔のフラメンコや過去の踊り手達の消息を聞いたものだ。
表では誰かが踊っている。その音楽が伴奏みたいに.....

ああ なんという贅沢な時代を私は生きたのだろうと
今になると思うけれど
あの頃は そんな事も考えないくらいに
夢中で過ぎて行った。

素晴らしいローレのお母さんのラ・ネグラの歌声!
朗々とした澄み渡るようなあの声。

ローレのお父さんのホアンは白髪の長身で
えも言われぬ気品の漂う踊り手だった。
ダテ男とは こういう人を言うのかと思ったものだ。

この素敵なおじ様は 毎日私の稽古場に通ってくれていた。
ー私のレッスンに付き合うためだ。

私の稽古時間の前後に石の上に座ってなんだか待っていてくれたのだ。

一振り二振り踊ってくれると 落ち着き無くすぐにどこかに消えてしまう。

また何日かすると私を待っている。
何か踊ってみろと言うこともあるし、これを覚えろと言う日もあった。
驚くような複雑なパルマのコンビネーションを教えてくれたりした。一人でオーケストラになってしまうように それは凄かった。
ああ、あの素晴らしい 人達。

ローレは六人姉妹で、全員そっくりな女性達だ。

その中で抜群の出世をしたのがローレ一人だけ。
姿が似ていても六分の一の可能性なのか。

モロッコ生まれなのでアラビア語で歌ったりする
それが又エキゾチックな彼女の声に良く似合っている。
この人の娘はスーパーモデルになって後、歌手としてばりばり売り出した。名前はアルバ 夜明けのことだ。
明けの明星というところかな。

夫はマヌエル・モリーナ
この人はいつも帳面を持ち歩いて即興詩を作る。
ローレの数々のヒットは 夫の美しい抜群の歌詞にもよる。
彼の風貌が又 キリストのように重々しい。
ギターを斜めに立てて弾き語りをすると
説得力がある。
男性美に満ちている。

若く雄雄しい太陽が登ると
月は戦いに負けて 力なく追いやられ

光は遠く朝靄を払い
空気はできたてのバンの香りを運んで
朝がやってくる。

ああ、夜明けとともに
私は白い口づけであなたを目覚めさせる

夜がやって来るのは
山が太陽を飲み込んでしまうから!
.................

こんな風な素敵な詩を
マヌエルは
ソレアよりゆったりしたブレリアに仕立てる。
このコンビの人気はずっと続いた。
ローレは一族きっての出世をして白い馬のいる牧場を
買ったとか 確か聞いた。
その後は新興宗教に凝って ちょっと違う世界に行ってしまった。又復活したのだと思うけれど....娘の活躍が目覚しい。

モントージャ一家の女性がずらっと
ローレのコレクションの年代物のマントンをまとって
舞台に現れると もうその豪華さだけでお客は狂気したものだ。
カルメン、カルメリージャ、ラ・ネグラ、ローレ
ダテ男のホアンが長身で背後にすくっとパルマを構える。
絵のように美しい.....

ひとたびパルマが響き渡ると
生まれて来た事を神に感謝したくなるのだ。

ああ、ファミリア・モントージャ!!

最近、うちのスタジオでカルメリージャとフアルーカ
アンへリータ・バルガスが練習しているという
秋葉のBより小さいところに10人くらいひしめいて。
行ってこないと!何を企んでるのかなぁ

●2006年07月13日(木)

北アフリカの風


ここの所、43度をマークしていて
ただのダレ犬になってしまう。

私の真面目度は 40度までしか維持できなく
43度になると もう何もできなくなる。

だから この隙に、舞踊家として役立たずになると
人並みの用事をしに走り回る。

銀行も商店も無人だ。

どうしたのだ、暑いとお金がいらないのか?
飲まず食わずでいいのか?
というくらいに誰も居ない。
いつもひしめいて 際限なく列の続いている銀行に
行員だけがひっそりと仕事をしている。

ドアを開けると ハレーションを起こしそうな太陽が
ぐわぁーーーーと、天照どころじゃない、赤道付近てこんなか?
ここはインドか?という蜃気楼で こちらを溶かす。

パタンと閉めて 何事もなかったように閉じこもりたくなる。
そこだけ真空になったような外気だ。

こういう天気になると、それは決まって
北アフリカからの風のせいなのだ。

朝起きると、車が砂まみれになっている。
サハラ砂漠の砂がここまで吹き付けるためだ。

えらい国に住んだものだと、毎年思う。
日本のじめじめとどちらがいいだろう......

こんなバカな事しか考えられないくらいに
この国の夏は凄い。

●2006年07月05日(水)

ラ・トナについて


○完璧なのに、なぜか客と断絶してしまうという女性の踊り手
という印象でBBSに投稿がありましたが
イメージしてくれている文章は かなり近いですが
ここに少し違いがあります。

出来すぎていて断絶してまうというのとは
ちょっと不思議な精神作用が働きます。

ラミレスの場合もそうなのですが
一般にアンダルシアのお客はみんなフラメンコには一家言持ってますからーというよりみんな評論家気取りーフラメンコに対する
査定がとても厳しいです。アーティストだらけです。
そうでない一般のお客は土着のフラメンコの味が解るつもりで
いますし、大抵の場合、クラシックなフラメンコはよく理解する観客です。

ところがここに人の経験を超えるようなテクニックが出ると
共感する、ということができなくなります。
踊り手の方がずっと向こうに行ってしまっているからです。
すると心が熱くならないで 冷えてしまうみたいです。
??????こんな感じです。

ラミレスがパコデルシアに見出された時、
あのセクステットの錚々たるメンバーに紹介した時、
ちょっと踊ってご覧よと言われて 一振り踊ると
みんな 大笑いに笑い始めたと言うの。
解ります?

つまり、こんな凄い人達だけが、ラミレスのコンパスの複雑さ
足の信じられないような速さがどんなものか分かるんですね
で、見ているものが信じられないって言うんで 笑う。
あははーーーーーこいつは参ったな、て感じ。

一般人は、笑えないし 感動できない。
なぜなら三万光年の向こうに彼だけで行ってしまうからなのですね。

トナの場合はラミレスほど難しいリズムではありません。
あのように美しく、非常にフラメンコの顔と容姿で
必要なところでは微笑をたたえ、とてもいい顔をして踊る。
何が不足なんだというくらいに 本当に適度の愛嬌もある。

なのにお客が断絶になる場面を沢山見ました。

忘れもしない、セビージャの権威あるフェスティバルで
トナは本当に見たこともないくらいに完璧にプーロな
素晴らしいマルティネーテを踊りきったのだけれど
満場のお客の誰一人、どんな決まりでもオーレを言わない。
これでもかというくらいに決めるのだけど
みんな喉に糊が引っ付いたようにして誰も何も言わない。

私は生徒とともに客席にいてーやっぱり何も言えなかったのだけどーあまりのことに舌を巻きましたね。

完全すぎて不完全なんてちゃちな踊りではなかったです。
本当に素晴らしい踊りでした。

何故かこういう事が起きる踊り手でしたね、トナは。
あれほどの人でしたが、パラシオ・アンダルースを
ほとんど追われるようにして終わって、誰に表彰されるわけでもなく、恐らく地元のセビージャでも名前が聞こえ渡ったというほどのこともなく、消えてしまったという感じです。

とても、とても、とても胸が苦しいです。
ああ、あの素晴らしい、完璧な踊り手!!!
ラ・トナ、私が生き証人です

http://www.flamencoole.com/

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