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2007年08月のセビリア発信・つれづれ草
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●2007年08月30日(木)

フラメンコ、真面目にお勉強 相対性理論


日本からの帰りのこの間の飛行機でのことだ。

何か読む物、と焦って空港内を早歩きしていて
大好きな歴史物が全然見つからなくて
出発時間は迫るわ
本屋は少ないわ、で
あわや読み物無しの搭乗かと言う間際

PHPから出ている「誰にでも分かる」?だつたか
早分かりだか なんか素人向けのキャッチがついた
「相対性理論」が、きっと読むとアインシュタインみたいに
分かっちゃうんだろうナァ と錯覚させる題の本を買った。
相対性理論って生まれてこの方、ずっと耳にしているのに
何が偉いんだか 全然知らない。
いつかはきっと分かろうと思い続けて来たような節もある。
私には この、いつかきっと分かろう、と言う人生の
知的宿題みたいなのが 山のようにある。
漢の始皇帝読もうと思っているし、
ベルベル人の歴史詳細知りたいし
蒋介石は確か日本人のために天皇制を残すように?
尽力してくれたとかだったから 
あれだけの悪事を日本人が台湾に対してしたにも関わらず、
どういう史実と経緯とこの人物の偉大さがあったのか知りたいし
昌平校と昌平女学校は同じくらいに良い学校だったのか
とか、
まぁ つまんない事から大きな事まで
頭の中は あちこちで掬い取った史実なんかの残骸だらけになっているのだ。
いつもこれに 回答を与えて おお、そうじゃったのか!!と
喜びたい欲求にあえいでいる。

できたら 素晴らしく聡明なお友達がやってきて
それはね、とすらすら教えてくれたらいいのになぁ、と
フラメンコ・ダンサーらしく怠惰に思い暮らしている。

そういう「どらみちゃん的」お友達の出現が
ついに今日までないので 本を買っては ろくでもない内容に
おお、騙された、と思ったりして当たり外れの激しさを嘆いている。

さて、

座席に落ち着いて 読み始めると なんだか相性がいい。
これは外れないなと良い予感がしていたのに
乗り継ぎであたふたしていた時に
すっかり前座席のポッケに入れたのを忘れて降りてしまった。
ああーーーーー悔しい....惜しいなぁ....

これで 私でも分かりました相対性理論、
の素晴らしく輝かしい一ページが更新されないで
ああ、ドイツ航空なんかの座席にある日本語の本は
きっと悲しい末路を辿るんだろうナァ.....罪悪。

人の発明も、歴史に埋もれた人物も
何にもはっきり分からないまま
私達は 私達の持ち時間を確実に毎日縮めて
雑踏の中で消費して行く。

ああ、生きとし 生けるもの....
諸行無常ですねぇ...と溜息つくものの
今日も稽古頑張るぞ!!

皆さんも良い1日を!

●2007年08月29日(水)

調律師もフラメンコ

こんな暑い国で 果たしてピアノ人口も少なくて
調律師なんかいるのかなぁ と考えていたら
少ないから引っ張りだこなんだそうで
中々良い商売なのだと プロのビアニストから意外な囁き。

今日届けて調律し、夜コンサートが終わると積んで
他県まで行き、また調律して....なのだそうだ。

私のピアノはご存知 五月の帰国数日前に運ばれてきて
そのまま調律も来ないでずっと まぁ仕方ない状態で
稽古していた。
低音ほど律が狂って怪しい音がするのを
呆れつつ 弾いていた。

そろそろ寄越してくれないですか?
の電話をしたら ごめんごめんで 三日で来てくれた。

調律する人っていうのは世界の全ての音をピアノの音階に
置き換えられるんだと聞いていたので どんな巨人が来るのか
とても楽しみだった。

偏屈な律義者みたいな陰気な感じの職人を想像していたけれど
ベルが鳴るので二階からこっそり見ると
まさしくそんな感じの男性が白い門に立っていた。

わくわくしながらドアを開けると
意外と話し好きのこの人は いろんな話をしてくれる。
いつ 調律に入るのかな、急がないで1日居るのかなと
思い始めたら 調律にかかった。

どんな風にするのかにも 興味が隠せなかったので
私も息を潜めてじっと手元を見ていた。

それにしてもピアノの精巧な事といったらない。
こんな素敵な物が家にある幸福を又感謝した。
朝起きて そこにあるのを見ると心が豊かな喜びに溢れる。
夜休む時に そこにやっぱり居るのを見ると とても嬉しい。

私のようなのは スペインには
珍しくない程度に居るんだそうだ。
これからピアノを始めようって人。
王立音楽学校にだって行けるよ、と言う。
ただし高等科の途中入学試験からだよ、と。

あははーーーー笑っちゃう私です。
高等科を受けようってくらいだと
もう相当な腕なのだ。
私は今年はレパートリーを五曲にして来年
10曲も弾けるようになったら 凄いナァ てな低次元なので
まるっきり関係ないお話みたいだ。

でもうちの近くに王立の姉妹校があるらしく
面白そうなので どんな人がやってるのか見に行きたいと思っている。

この調律のおじ様は
ドランテのお友達で 自身もカルテッドか何かを編成している
ジャズの人なのだそうだ。
しかし得意の楽器はギターで クラシック。

去年はフラメンコの踊りを習っていたというから
笑ってしまった。なんにでも興味がある人なのだなと
嬉しい気持ちになった。

私のところから近い コリアデルリオという村の人で
ここは昔 支倉常長の一行が住み着いた村だ。
もしかしたら先祖は我らがヤマハと同じ日本人かも知れない
そういう村なのだ。

この村に国立バレエを退団した素晴らしい老人の踊り手がいるというので その言葉一つを頼りに 翌日訪ねてみた。
老夫婦を前に 彼らが夢のように美しかった頃の写真を背後に見比べながら 楽しいお話が聞けた。10月まで舞踊団の練習がないそうなので 見れなかったのだけれど 古風な昔のスペイン舞踊を教えているらしい。
いつか古典舞踊でも習いに行ってみようと思う。

ヤマハのピアノは 本当にいい音だ
このピアノは又、良く鳴るいいピアノだね、と言われて
またまた嬉しくなった私です。
カデイス県のチクラナまで買いに行ったって
どうして?
不思議がる調律師に訳を話す私でした....

本気でやるには最低六時間だそうで
奮起した私は「一時間はやろう!!」と思うのでした
(なんて希薄な決心だろうねぇ ホント 笑)

こんな所も 益々うちの弟子に似てると思うのです

ピアノにむかう度、みんなのフラメンコってこんなかなと
感覚が分かるのでした。



●2007年08月23日(木)

筋トレー故障を抱えている時のやり方ー

昨日は徹底的に脚を鍛えた。
胸筋が一昨日のトレーニングで48時間の休み必要!と
囁くので そうだなと思って脚。

脚も表と裏と側面と四通りやらないといけない。
串を転がしてまんべんなく焼くみたいにだ。

夏に膝を故障していて 良くなってはいるけれど
まだ ぎしっとなる。
だからって全快するまで待つと筋肉はどんどん後退する。
傷をかばいながらでも 軽くやらないといけない。
ちょっと注意してやらないといけないけれどどうという事はない。

やっぱり昨年夏から受けたアンヘル・ティエンソのクラスがとても悪かったなと思っている。

ベタンソの所の上級プロクラスもとても良くない。
年中クラスが続けられないという膝を故障している人が
お休みして見学していたことでもお馴染みだ。
一様に膝にサポーターしていたので
嫌な予感がしていて
私はクラスでは足は なるべく避けて通っていたけれど
帰り道になんとも覚えの無い いやーーーーな痛みが
足と膝とにあった。

男の足は やっぱり女にはとても負担だと思う。
あっと言う間に 膝が駄目になる。

鍼に通ってお話ししたときに
長い舞踊生活で ただの一度も稽古や舞台で
捻挫や膝を故障した事が無いと言うと
著名なスポーツトレーナーのこの人は
「それは素晴らしい!!」と即座に言われた。

プロの選手に怪我はつきものだから
舞踊家でも 怪我は往々にしてある。
私はただの一度もなかったのだ。

それは 危険な稽古は排除してきたし
息の長い踊り手になるために細心の注意でカリキュラムしてきた。

今回は
一流の踊り手の最上級のクラス、という思い込みに
落とし穴があったのだと思う。
これは....良くないなぁと思いつつ
少しくらいいいだろうという甘い考えが
やっぱり災いした。

自分の経験と長い芸能生活から得ている
無意識の千恵というものを
軽んじてはいけないのだ。

私は私がスペインで生きた時代の
最先端と言われたリズムで
舞踊として均整の取れたあの、芸風を全うしないといけないなと感じている。

最近の「バイラオールになりたい式」の踊りは 最低だ。
積極的に体に悪い。

フラメンコは 伝統の女踊りを行けば
クラシックバレエよりも足腰に来る負担はずっと少ない
いい踊りなのだ。

物足りない場合は リズムを難しくして
コクを出せばよく、膝を割って腰を砕いて足をやらなくても
芸は十分光輝くというものかもしれない。

何かが上手く行かない時、
どこか故障した時
驚いて 怖がってみんなやめて安静にしては駄目だ。

かばいつつ 回復のために運動は続けないと悪化してしまう。

人はどんなに不幸が降り注ごうと
「うまく人生を生きられるまで」生きるのを一旦やめてみて
冬眠していられないように
筋肉もペースを気にしながら鍛え続けないといけない。

舞踊も人生もみんな真理は 同じだな、と思うこの頃の私です

で、脚のあらゆる角度と背筋をやったので
文字通り 今日はどうにもならない筋肉痛で
仕方ないので 柔軟とヒアリング ウォッチングで研究の1日。

OFSの人気DVDシリーズ
{バイレフラメンコのV}の編集が終わって
マスターテープ試写会に呼ばれた。

バストーラ・ガルバンのソレア・ポル・ブレリアが
溜息が出るほどに上手い!!
本当に素晴らしかった

貫禄と言い、リズムの良さと言い、
フラメンコの溢れるようなアイレと気風の良さ。
サラブレッドのフラメンコだなと思う。




●2007年08月21日(火)

真面目にお稽古

日本は物凄い暑さらしいですが
皆さん 負けずに頑張ってますか?

スペインもかなりの暑さで
昨日 やっと筋トレを再開しましたが
往復に車乗っていたのをやめてみたのですが
いやーーーーー遠くて遠くて 帰りは後悔しました。
が、今日もこれから行って来る私です。
ちゃんとかんかん照りの中を歩いて。

昔の日本は今のように暑くなかったのだろうけど
昔の人はああいう着物姿で健脚でしたね
物凄い距離を歩いてましたね お米ばかりの粗食で。

私の最近の不調は 筋トレをやめてしまったためと
専門家がみんな口をそろえて言うので
心を入れ替えて 頑張ろうと決心しています。

決心の傍から 横浜の火急を要するあれこれがあったりして
せっかくの決心も中々陽の目を見ないのですが
決心してあるのだから やらないとね 笑

血液をさらさらにして手足にくまなく清流を流し
崩してしまった筋肉を構築しなおして
そうして一時は1日800回はやっていた腹筋を
又 あのように美しい克己心でやるのじゃあ!!!!!

彫刻のようだった背筋を鍛えなおし
内転筋 外転も科学者のような精密さで筋を糸をよるようにして
鍛えなおそう

昨日の開始で今日は腕も上がらないような痛みだけど
こうやってだふついた肉の繊維を破壊しては撚って
体を強く 強靭にしていくのじゃ!!

さあて 勇ましいゴタクを並べたところで
行くかな 

ちゃんと沸騰させて作った古風な麦茶を
ボトルに詰めて。
健気な篠塚さんが買ってきてくれた本当の麦の
最後の一握りで作った 最後の本物の日本の麦茶を持って。

おーーーーー武士のように勇ましい気持ちになった。
こうやって自分を毎日だまして 私は嫌で仕方ない筋トレを
ちゃんとやり遂げます

まぁ 11月には見てやってください

と、追い込んで逃げれなくする 爆

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