フラメンコ・オーレ フラメンコファンと練習生を一挙にスペインへ!
音楽・踊り・歌の本格サイト〜友繁晶子がスペインから応援

フラメンコ・オーレ!/スペイン発のフラメンコ情報サイトフラメンコ・アカデミー/友繁晶子の本格フラメンコスクールフラメンコについての質問/スペインについての質問/ご意見・ご感想スペイン語/***セビリア発信・つれづれ草スペイン発

フラメンコ・オーレ!

フラメンコって何?アンダルシアって?セビリア・セビージャ?スペイン地理・歴史専門書
友繁晶子大人になってからの舞踊子供から始めるフラメンコ・スパニッシュ・クラシックバレエ
何年やっても上手にならない!あなたへバレエのページ 速報・集中レッスンスペイン留学レポートスペイン研修旅行レポート2004フラメンコ・全パス/朝晩全てに出られるコースUP!
友繁晶子・公演のお知らせ


2001年09月のセビリア発信・つれづれ草
[HOMEに戻る] [過去のセビリア発信・つれづれ草一覧] [管理者モード]
●2001年09月29日(土)

【硬直型偏執狂の金曜日】


昨日からついにクラシック・バレエは万策尽きて個人レッスンに突入してしまった。

 フラメンコの揺りかごであるセビージャはバレエの人気がない。
 一握りのプロ・バレリーナはバレエ団の契約が決まる度にクラスを抜けるので、どこのクラスに鞍替えしても、いつでも最後は私一人になってしまう。

 雨が降ろうが風が吹こうが、何がなんでもクラスに出頭する皆勤賞生徒は私だけだ。私一人では学校はやって行けないので大抵クラスがなくなる。

 かくしてどんなに意思が堅くても私とバレエは悲しい恋人のようにいつも仲を引き裂かれてばかりだ。
この現象はいつからかというと、スペインに留学した始めの年からずっとなのだ。

 この夏には飽き飽きして、どんな事をしても一人、自分の専用教師を雇ってしまおうかと思いつめたくらいだ。
つまり月給で。
そのためにどこかで戴くギャラを全部注ぎ込んでもいいと思うくらいにイラついている。(あ〜鷺沼のバレエクラスに通いたい!てなものだ。)

もう、茶番としか言いようがない。どこに行っても熱心なのは私一人になってしまう。信じられない。バレエは趣味でやりたい専門外のこの私がいつでもそこで一番熱心な生徒になってしまうなんて。つまりそのくらいにバレエの上級クラスが存続できない土地なのだ。

 クラシックバレエの個人レッスンというのは、生徒も教師もかなり苦しい。
あれは直されてその場でお手本どおりの事ができるものではないから、(このエカルテは脚を耳の後ろまで、とか言われてこうですか?とは行かないなど)
プロのバレリーナでも個人レッスンでは死にそうになると告白する。
一人だったら、クラスは中止、というのは常識にさえなっている。

 バレエクラスのために犠牲にしていることがあまりに多いので、私はこれをやられたくない。ただの一回のクラスも中止だなんて耐えられない。この時間を捻出するためにどれくらい苦しんでスケジュール調整しているか知れないのだ。稽古の番狂わせというのを憎むこと、親の敵以上。生涯のうちのただの一回の午前中じゃないの、なんて言われたくない。

私という人間は、そのくらいの偏執狂なのだ。

けれども、こういうダレた土地では通用しない私の硬直性は、もうそれこそ人買いのようにしてですね、教師を雇うしかない。
 ところが、更に不幸なことに、こういう法外な条件を出すと人は恐れる。
なんだか怖い、こんなの聞いたことない!と。じりじり...後ずさり。

 昨日は朝から大雨で、晴天に慣れているセビージャ人はプロでももうこれだけでクラスを休む。案の定、出頭したのはスイス人の教師と私だけになって教師は今日は二人でコーヒーにしないといけないとのたまう。
冗談じゃないのだ。

 かくしてこの場で親友のエバを電話でよびつけて個人レッスンを依頼。

やってくれないなら、私は明日から空手か少林寺拳法に通う、と脅迫。

 もうこんなやくざなクラシックなんかと絶縁して武道に鞍替えしてやろうかと思ったくらいだ。この先、エバでさえもしくじったら本当にそうしようと思う。(鷺沼の向かいにファイティング・原田さんがジムやってますよね!)
 
 朝、一番で難しくて徹底的に苦しい何かのクラスに行きたい。
自分でやるのはフラメンコだけで十分なのだ。
バレエまで自習にしたら、一日中、一年中、自閉症的自分との戦いになってしまう。
 ....で、エバはレッスンではきつかった。足腰立たないというくらいにやられてしまった。個人だと、次ぎの生徒が標的になっている間に回復することができない。標的は常に自分だけだ。

 お願いだからこのまませめて3年は続いて欲しいと思う。家からは最高に遠い。毎日成田空港に通う、というくらいな気がする。下の娘を連れて行く日は、成田に2回も通う感じだ。それでも通うぞ!!!さぁて、武道の入門までもう紙一重に追い詰められています。

●2001年09月27日(木)

【思い出すことなど....】


昨日は早合点でしたね。
てっきり男性だと思ってしまいました。

 何故かと考えてみると、日本に居た頃にスペイン人で個人教授をしている人が知り合いにいたのです。
この男性は、やっぱりコーヒーショップなんかで生徒と待ち合わせて教えていたのですが、お食事もみんな生徒が払ってくれるし、いつも高価なプレゼントもくれると言っていたので、この人の面影が浮かんでしまいました。
 
 レッスンは20年も前の昔で一時間一万円。ただのデートみたいなのにね。お茶もお食事もプレゼントもみんな女性持ちで。そう、そう言えば生徒はみんな女性ばかりでしたね。

 その上彼は、テレビの語学番組にまで抜擢されたので、大変な羽振りでしたよ。
 この人とどうやってお友達になったのか全然思い出せないのだけど、スペイン大使館のパーティだったかな?

 私が日本語を添削してあげて、あちらは私にスペイン語というかフラメンコの歌詞をテープから起こしてくれていました。親切で、本なんかもスペインから取り寄せてくれて、勘定書きを回された事も全然なかったような気がします。
いいんだ、僕はもう、お金が使い切れないくらいあるんだもの、なんて言ってましたっけ。ただの留学生なのに、テレビのギャラと女性の貢物で....

 そうねぇ、親切にして戴いていて悪口は言ってはいけないけれど、一面全く面白くなかったです。とても歯がゆかった。日本は外人には極楽ですものね。
 

 この先、生徒がどんどんスペインに来るようになると、私は心配性の母親のようになってしまうわね、きっと。
みんな気をつけてね。日本人の留学生専門にしている悪い男性もいるようだから。雑誌に載っているフラメンコの穴場、有名店、などというところにはわんさと留学生が押し寄せるので、逆にあちらの思う壺になってしまう訳です。

 夜遅くにちゃんとした家の主婦や独身の女性はほぼ絶対にこういう所に一人では出入りしないし、来ているのは、外国の女性ばかり。

日本の女性は習慣としてどこでも勇敢に一人で闊歩してますからね。

 忘れてならないのは、過去にいっぱい失敗している留学生がいると言う事。
この女性達とあなたはなんの関係もなくても、迷惑なことにあちらはそうは思わないということです。
だから、好むと好まざるとに関わらず、一端外国に出たらしゃっきりしないとよ。

 友好的で誰にでも好かれる素敵な女性でいる事と、つけ込まれるというのは全然別のことなのでね。
 日本人は民族的にどうしても根が純情なためか、諸外国の女性よりずっと甘くみられがちです。どんなに教育があってもとても危ういケースが多いのは今後の私達のテーマかも知れませんね。

 今日はとっても説教臭くなってしまいましたけれど、みんなに何かあっては大変だから、機会があるごとにお話ししていきますよ。こんな憂鬱なことは楽しい雑誌や何かでは、決して注意してくれないから。
ママ・アキコの忠告は聞いておくものよ。

●2001年09月26日(水)

【思いっきり、がっっつん!!!】


 ゲストブックNO617にスペイン人との付き合い方で悩んでいる人の相談があった。
こういう例はいっぱい見ている私としては、見捨てておけない。
 このスペイン語の個人教師は、日本にいるスペイン人なのかしら?
この態度は許しちゃだめです。完全になめられています。
だってもしもこれを日本人の男性がやったら許す?
甘やかしてはダメよ。外人だからって特別扱いはいけない。

基本的なところはどこの国も同じよ。まして日本に居たらあちらが私達の常識を学ぶべきで、あなたが合わせるべきでは断じてないです。

 日本と違ってこの国の男性はまだとても古風で、お茶や食事の勘定書きを女になんか絶対払わせません。
割勘だって嫌がる人は沢山います。年下の男性でも、そうです。
いつも女性に対してきりっと男らしくしていたい。

 それからね、独身の女性は無闇に男性に贈り物しませんよ。あっといけない。既婚の女性、フィアンセのいる人ならなおさら。
プレゼントはね、SANTO(その人の名前と同じ名の聖人の日)かお正月の6日辺りのREYESと言われるクリスマス・プレゼントだけ。それもうんと親しい人ならね。大して親しくないのならあんまり高価でなくてかなり質素で、さり気ないものでないと誤解のもと。

 だからこの風習からして、あなたのお話しに出て来る男性はスペイン男児の風上にも置けない人だと思うな。

決然と言うべきですね。前もって作文して、会った時に「いつもちゃんとしておきたいと思いながらなかなかできないでいたので、今日はこれを最後まで聞いてくれない?作文はとても大変だったのできっと最後まで聞いてね」念を押しておく。
そして読み上げる。
相手が日本語がちゃんとわかるのなら、日本語でがっちり言う。はっきりと。

反応として考えられるのは

@途中で怒り出す

A途中でさえぎり、意味がわからないふりをして何度も同じところを説明させ、自分はそんなつもりではなかった、など理屈を言い始める。

B最後までちゃんと聞くが、理屈をこねる

C悪かったね、と謝る。

さて、一番有り得ないのが多分Cよ。万が一このケースになったら許してあげてこの人と勉強を続けてもいいけれど、あとは全部決別です。
相手の態度に惑わされないでね。最後まで理屈を聞くのに付き合ってはダメよ。この決別の言葉も準備しておくのよ。ちゃんと練習して。

教えてあげましょう、ERES UN SINVERGUENZA!あなたは恥知らずよ!
(ねぇ、とちっちゃダメよ。迫力ないから。しっかりやってね)

そしてこの日はレッスン代は絶対に払わない。
ましてやお茶も何も払わない。あっちより先に憤然として店を出ないとダメよ...忘れ物しないでね。舞台の引き際は鮮やかに決めないと。

 金銭のことでこじれたくないと言うけれど、この人は日本人をいつも思い通りにしているのよ。すれっからしです。
 おそらくお熱になっている生徒も何人もいて、高価な物もいっぱいもらっていて、日本の女なんかちょろいと思っている。

 勿論、告白なんかして欲しくないのだけど、もしかしたらあなたもこの男性にちょっと憧れていない?だとしたらもう、私にはアドバイスはできない。
いっぱい見ているの、そういう日本の女性。
そして私はその手の女性には全然同情しないです。
違っていたらほっとするけれど、そうだったらもう相談しないでね。

これは国家の名誉をかけて、がつん!とやるべきね。
惚れていようがいまいが、こんなヤツは強制送還するべき。

スペイン語なんて個人レッスンおよしなさいよ。勿体ないから。
フラメンコなんてお金がいくらあっても足りない物を既にやっているのだから
どうしてNHKあたりにしておかない?
あなたの能力が既にすごくレベルが高くて、あんなものじゃ物足りない、というなら別ですが、語学なんて人に習うものじゃないです。
もう、選び切れないくらいにいっぱい便利なシリーズや、テープやビデオやありとあらゆるテキストがあるじゃない?
そういう物を上手に使えば、留学なんかしなくたってべらべらになってしまうわよ。日本で勉強できないことなんて何一つないと思うな。
フラメンコですら。

私はスペインに渡った時には、もう踊りはかなりいい線行っていたのよ。全部日本でやった事だったけれど。
スペインに行く前の何年かは、先生にもついていなかったの。
ひとりっきりで勉強していました。
行くなりソリストとしていきなり抜擢でした。(ねえ、自慢話なんかじゃなくってよ、勿論。今更そんな事自慢してどうする?)
わかって欲しいのはね、自分で本気出してやれないことなんか世の中には一つもない、てこと。

ここで余談:踊りはうまかったのだけどね、一つだけ足りなかったものがあったの。
それはね、「魅力」よ。

●2001年09月25日(火)

【メルセデス】


 夜遅くバレリーナのメルセデスから電話がかかった。
 やっとバケーションから帰ったという知らせだ。
信じられない!もういい加減この季節は秋だ。9月ももうお終いという頃になってやっと海から引き上げて来る人ってあるかしら。

「こんなに涼しくなっているのに一体海で何していたのよ!」
一気に責めたてたが、バーベキューなんかして楽しくて仕方なかったなんて言うのだ。この人は王立舞踊学校のバレエ過程を修めて教師の免状を持っている、私のバレエ友達の一人だ。

 オリビア・ハッセー系の古典的、妖精風の美人だけれど、若いからいつでもヒッピー風のロングスカートや、じゃらじゃらのアクセサリーでカッコ良く決めている。
バレリーナ独特のきゃしゃな体に、こういうものがとても優雅に映るのは、さすがだと思う。
彼女には、著名なデザイナーのモデルに、という話しもあったのだけれど165センチというのはファッションモデルとしたら背が低くて苦しい。
だからモデルにはならないで、バレエを教えている。...めでたし。

 お父さんはアンティック家具を取り扱っているので、彼女も古くて良い物がとても好きだ。
 バルセロ―ナ系のモダン趣味の私のことを、彼女はいつもこきおろす。

 確かにマホガニーのクラシック家具なんていうのは、作りが重厚で本当に素晴らしいとは思うのだけれど、ああいうものに囲まれて暮らすのは気が重い。

 彼女は、16世紀だか17世紀の寝台にお姫様のようにして眠っているらしいのだが、あんな年代物のベッドに寝ろと言われたら、私なんて金縛りになってしまう。
 クラシック家具は、遠くで見ているだけにしたい。

 それなのにたまに一緒に買い物に行ったりすると、すぐに目ざとく年代物を見つけては、COMPRATELO!(買いなさいよ)を連発する。
もう辟易としてしまうのだ。
 趣味が違うっていうのに....

 けれども木目の事とか、クリスタルのシャンデリアの事とか知識を授けられているうちに、だんだん私も詳しくなりかけてきてしまっているから、友達の影響というのはすごい。

 そう言えば彼女は、多分私のせいで日本に行きたくて、仕方がない。
 鷺沼で早くバレエの集中講座をやって自分を連れて行けとうるさいのだ。
そんなレベルの人はまだ全然居ないんだったら!ねぇ?

 あなたの愛らしい(愛らしいだってぇ!?)日本の生徒に会ってみたい!
..そう言って深緑の瞳をきらりとさせるのだ。
さあ、いつ連れて行く?この絵から抜け出たみたいなクラシックな女性を?

●2001年09月24日(月)

【折に触れて....】


 湾岸戦争という言葉を見ると、いつも不謹慎に、にやにやしてしまう。
ゲストブックで出て来たので、またにやついている。

 2年前の青山のブルーノート出演交渉の国際電話。

 スペインから日本へ帰国してからの打ち合わせのアポイントをしていたのだったと思う。

「車で見えますか?」
「いえ、日本では運転できないんです」
(国際免許取ってないんだもの、スペインでしか通用しない。)

「地下鉄、ちゃんと乗れます?」...私のこと、よく分っていらっしゃる!
「えーと、頑張りますからどの駅で降りるのか教えてください」
....ペンを持って小学生のようにしっかり構える。

「...で、ビーワン出口で地上に上がってください」
「は?何ですって?」
「ビーワンです、エービーシーのビーです!」
「!あーあ、Bですね?」...ほっと溜息。何の事かと思っちゃった..
「ビーワン、そのう、...ビーワンのワンは湾岸戦争の湾ですか?」

  しーーーん!  絶句!相手の方、絶句でした.....

ん!もう!そんな訳ないじゃないねぇ...嫌だ!恥ずかしかったぁ...

以来、湾岸が出るとどこででも笑いがこみ上げてコントロールできない。
どんなに真面目な会議でも、絶対に笑ってしまうの。困っちゃうわ。
表参道のB1見つけると、やっぱり笑ってしまうし、今でも。

 あとは極めつけの失敗は、
さる著名なプロデューサーとアポイントの電話をしていて、
「午後ならいつでも結構ですよ。友繁さんに合わせますからいつでもお寄りください。ずっとお待ちしてますから、先約の予定が押してきても心配なさらないで下さい」
....時間に着けない私のためにこんなに配慮して戴いて申し訳がないくらい。
でも、しつこく何回も
「でも、だいたい何時頃がよろしいかおっしゃって」を繰り返す私。

ついに相手はいらついて来てしまった。
ホント、私って日本の男性を怒らせてしまうの、得意だから....

で、とてもまずい具合になって抜き差しならないものだから、告白してしまう

「そのぅ、日本は午後は何時に始まって、終わるんでしたっけ?」

「ああーもう、嫌だ。そうだったのか...!」誤解は一応とけたが...

「え!朝の12時でもう、午後?じゃ、夜は?...
 え!午後の7時でもう、夜?」

「あなたと話していると頭がおかしくなる!」と言われてしまった。

言葉の底流にはまだ本当には見捨てていない響きがあったから良かったようなものの...危うし!

 一体、いつから私はこんなになってしまったのかしらん。些細なことでよく失敗してしまうの。それとも昔からだったかしらん....

 はーーてな、私は日本に居た頃は男性に人気があっただろうか....全然思い出せない!
何せ、二十歳で婚約してしまったんだもの。そして後はスペインに高飛びしちゃったし...うーむ

●2001年09月21日(金)

【時間厳守の考察】


昨日のマリアのレッスンで、1時間半が経過したところで、レッスンが止まって残り30分は、フラメンコの大論議になった。

私や多くのスペイン人受講者には結構興味深いテーマだったけれど、例の「説明うるさい」の彼女がイライラし出した。
そのうちにマリアが止まらないものだから、「ああ、もう嫌!!こんな冗談じゃない、お金がもったいない!」と日本語で叫び出した。
やれやれ.....

私は、逐次通訳で助け舟を出したつもりだけれど、ぶんむくれの彼女は聞く耳持たない。そのうちにとうとうマリアのフラメンコ論は佳境に入り、スタジオはもう表の戸を閉めないといけないような時間になって終わってしまった。
さて、これ、みんなならどう思う?

ほぼ確実に、私の生徒はじめインストラクターなども筆頭でふくれること請け合いだ。違うかな?

みんなの気持ちはよくわかるけれど、きつい結論から言うと、こういう人はスペインに来てはいけない。
この国はこれでもっているのだ。

更に言えば、フラメンコというのはこういうものなのだ。

もっと言えば、マリアのように外人ずれしていない、本当のフラメンコのアーティストというのは、これで普通だし、これがいいところなのだということがわからない外人は、この人に習う事自体が問題なのだ。
こういう人はマノーロ・マリン、その他パセオのガイドに載っている普遍的外人型アカデミーから1歩も出てはいけない。

 レッスンが終わってから、ぶんむくれ彼女を引っ立てるようにして車に乗せて、さんざん訳を説いた。運転しながらだから、一生懸命話してあげたつもりだけれど、集中できなかったし、どこまでこの人が理解できたかはわからない。
 昨日はマリアも含めてみんなとても疲れていた。
連日2時間のレッスンでシギリージャと言ったらかなりきついのだ。

振付はエスコビージャが仕上がり、一段落してまとめるだけになった。この段階では振付ている方はかなり疲れる。まとまったから今日はこれでお終いにしよう、と言っても間違いではない。....と私は理解できるけれど、みんなには難しいかも知れない。
 時間は確かに2時間の約束だし、その分を払っていると言ったらまさしくそうなのだけれど、踊りの場合、やっている内容によって消耗が違うのだ。

エスコビージャをきっかり振り付けて、コンパスの検証をすると、教えている方はとても消耗しきってしまうのだ。それを時計の針をにらむようにして、あと30分やれ、というのは理論的には正しいが、フラメンコ的には正しくない。

ここまで上がったし、何度もお手本を見せて先生は疲労してしまっているな、(自分達のせい)と言う風には勿論練習生には判断できないだろうな、と私はわかるのだけどね...スペインのスペイン人の生徒だと、ここらへんの機微が割りとわかるのだ。多分、クラスの大半が。

だから彼等の方が、ほかの外人よりフラメンコ的センスに溢れているのよ、と言えるかもしれない。

 先生を人買いのようにしてですね、最後の数秒までぎっしりさせようというのは熱心のあまりなのだろうけれど、これはフラメンコ的に正しくない。

 アイレだとか、アルテを得ようとしたら、アイレとアルテのある人にまず、ならないとよ。そしてそのアーティストに師事していたら、全くその人にクラスの進行は任せないと。
 こういうとみんなして今度は堅くなって、質問も希望も言わなくなってしまいそうで危険かな、と心配するけれど、ま、なんとか真意をわかって欲しいな。今はわからなくてもいつかわかるように。提言しておきます。

●2001年09月20日(木)

【マリア・デル・マル・モレーノ】


 夜は疲れてしまってちっともこれ、書けないので、今出がけにちょっとせわしないけどアップしておきます。

 フラメンコの集中講座ばかりの企画で有名なタジェール・フラメンコの校長、エウケネが私の生徒のためにホテルに出向いてくれる約束だったことは先週書いた。ところが、週末のために彼女と連絡が取れず、旅行のキャンセルが伝えられなかった。
 仕方がないので、月曜の自分のバレエレッスンを休んでお詫びやらいろいろのために出向いた。
 
 マリアのクラスは今回のテロのために大打撃だったようで、参加者が6人しかいないということで、マリアとも懇意な私としては遺憾の念に堪えない。うちの生徒にしても心残りだろうと思ったので、みんなの変わりに私がクラスに出る事になった。

 こういうクラスに出るのは18年ぶりくらいだ。初日に私を見て唖然としている日本人練習生が何人か居た。
....出てみたらやっぱりレベルが低めだし、午前中まるつぶれになってしまうのは惜しくて一週間も通うのはどうかな、と考えてしまった。でも一端出たクラスを翌日からやめるなんて非礼は講師に対して勿論できない。まあ、仕方ないや、どんなことからも学べないことなんてないんだし、生徒の身代わりになって行こうかな、ともう今日は四日目だ。

 ちょっとかなわないのは、レッスン後に日本人の練習生達に取り囲まれて、さっきの取れなかったんですゥ、さっきの説明は何だったんですかァ、と1時間くらい開放してもらえないことだ。私に対して気がねだから日をあらためて個人レッスンして欲しいという希望もあるけれど、今は待たせている集中生や前からの予約生で手一杯なのでなんともできない。

朝も少し早めに行ってウォーミングアップしようとしても、また、誰かにつかまってなんとなく講釈しなくてはいけなくなり、こういうものに出るのはちょっと難しいな、と思い始めている。時間さえあれば、いつでも私で良かったらお役に立ちたいという気持ちはあるのだけれど....。

 マリアは、先頃の彼女のビデオ収録に立ち合った時から感じていた通り、フラメンコの方向性、ラインとしてはものすごく私と共通している。
彼女自身もクラスのあとで私に対してそういう感想だった。フラメンコに対する考え方というのも驚く程酷似している。
 例えば昨日は、こんな発言があった。「みんな最近は1曲を15分も20分も踊ったりするけれど、絶対に8〜9分を超えてはいけない!」なぜかは、今更ここに書かなくても私の生徒なら熟知している筈だ。いつもクラスで言っていることだから。
 次ぎにレッスン中、頻繁に叫ぶ内容が私のそれと全く同じだ。
 ぺっちゃんこで踊らないのよ!丸く、全部丸く!奥行き、上体の限界まで!楽にやってはダメ!

 一日目のレッスンが終わった時に練習生の一人が、説明が多過ぎて全然何を言っているかわからない(もっと実技をやってくれないかな)」とこぼしていた。
 すかさず、それはあなたは間違っている、とマリアの弁護。

 誰か私の生徒で耳が痛いのがいない?

とっても大事なことを一生懸命説明しているのだ。こんな、わかるかどうかも知れないような練習生相手に。だいたい、私達、教師の立場から言うと実技ばっかりどんどんやる方がずっと簡単でストレスがなくて済むのだ。生徒が汗まみれのどろどろにならないと「レッスン代を出しただけの見返りがない」という、いじましい考えに陥ることは、誰に言われずとも百も承知だ。

 練習生というのは未熟だから練習生なのであって、技術も踊りへのアプローチもこうした物の考え方も、勿論すべてに未熟なのは仕方がないことだけれど、足や振りをがたがたやる事より、その先生が誠実なために止まるのだから、その伝えたいことを一生懸命、謙虚に耳を傾けないとよ。それがもし不満なら、ジムにでも行って午後の私のようにどろどろになればいいのだから。

時間がない人はレッスンでスポーツと踊りを兼ねたいと思うかもしれないけれど、芸術だからそうはいかない日も多い。不満なら寝る前に200回、腹筋と腕立てをすればいいのだ。15分で終わる。これすらもレッスンで兼ねようという怠惰なら、芸の向上を諦めるしかない。踊りに心を込めるという作業は、どういう態度でまず、取り組むか、の考察なしでは絶対に到達できない。
私からの苦言として、せめて私の生徒はまず、これを理解して欲しいと思いましたよ。意味がわからなければ、ゲストブックでどうぞ。いくらでも説明しましょう。
 では、これからマリアの集中に行ってきます。次回の集中で入れてあげましょう。

●2001年09月19日(水)

【しごかれてぐったり、メールでどっきり】


 旅行の後始末が続いていて、まだちょっとだけ大変。
なのに、生徒はこうなると絶対にスペインに行ってやろうと決心がかたまります、なんていう不穏なメールを次々に寄越すのだ。次々!
Dios mio de mi alma!!

 加えるに、先週からついてもらっているトレーナーというか、コーチがすごくきつくて、まだ4回しかやっていないのに、早くもやせてきてしまったのです。

体重が落ちたけれど、やせたというよりは絞り込まれた、という感じです。
かなり爽快。やめれなくなって来た。

夏のだらけを一掃しようと思い立ったのだけど、このコーチつきのトレーニングと水泳をダブルでやると、(稽古は勿論よ。レッスンつけているしね)夜に
ゲストブックは見ても、頑張れない。
その上、ここに誰も何も書いてないと、もう頑張って更新しようという気持ちがなくなってしまう。みんなは多分、私が更新しないから書かないのかも知れないけれど....。

 ところで、腹筋はもともとがーっと筋が縦に二本入っていましたが、なんだか早くもその筋が更にくっきりして来てしまった。
今度日本に行くまでに、鋼鉄みたいな体になるかもしれない。

いやあ、しかし、すごい!
1時間、ただの1秒も止まらないのだ。後半は汗みずくで、目の前がかすみそうになる。
 体育界系の女の人って、私みたいな軟弱とは全然、根性が違うとあらためて感心しました。
 筋肉もりもりの女性のコーチが三人、マスクはとっても甘いのにスーパーマンみたいな筋肉の見本みたいな男性が一人、この四人が日替わりメニューで毎日私をしごくわけです。
 ねじりながら三段階で起きる腹筋とか、知っていたけれどとてもじゃないけれど続けてやれるものではなかった。無理強いされないと一人だったらすぐにやめちゃう、こんなのは。
 今日はどろどろになっているところに、コーチがドアに向かって合図するものだから、はて?と振り返ったら、私の小さな娘が二人して、ぽかんと母親を見ている!二人もちょうど水泳が終わったところで(私がしごかれているのはクラブの目の前の建物だから)リュックしょって入り口に現れた。
あどけない、でも呆然とした顔でじっと私を見ているのだ。
なんとも言えずに胸を打たれるくらいに、二人は呆然としていました。

ねえ、こういう特殊な母親を持つとどんな子供に育つのかしら?
私は子供の幼い心の中にどんな母親として印象されているのかな、と今日は考えてしまいました。
 子供の学校の行事には一切出ていかないばかりか、父兄会や先生との面談にも行かない。たった一度だけ担当の教師に面談を申し入れて出かけたのも、こんなにやたらと宿題を出さないで欲しい。転校させるぞ、という内容だったし。

オリンピック選抜に失敗してもぜーーーんぜん平気よ!ママはその方がほっとするくらい。そのくらい頑張れるお姉さんになったら、他のことなんかなーーんでもできる!(子供は一途に思い詰めているのにこうやって水ばかり差す)

大学はたとえみんなが行こうが、泣いて行かせてください、というくらいでなかったら絶対に行かせない!....などなど、過激な発言ばかりしているのです。ははは、ああいう親だけにはなるのよそう、と堅く心に誓っていたりして...!

●2001年09月17日(月)

【日曜夜の回復途上乱舞】


週明けの月曜になってHPをのぞいて、このゲストブックでみんなが感謝の辞を捧げているのは一体なんぞや、と首を傾げそうだ。

みんなのコメントの下、前ページに私の説明が隠れてしまっています。
ここで繰り返すのは辛いので、アカデミー生はひっくり返しておや、まあ!という事で、よろしく。

 あの土曜日には日本では早速レッスンに駆けつけて頑張っている人達もいたそうで、健気なことです。おお、良い子じゃ、良い子じゃ...

 私は予定はみんなキャンセルしてあったのだけれど、ひとつだけ朝にどうしても断れない仕事のアポイントがあったのに、ころっと忘れてしまった。
 待ち合わせの相手が不審の電話してきて本人が出てしまうんだもの、最悪。日本人の評判ガタ落ち。車に飛び乗り、信号待ちでメイクして駆けつける。

なんだか、さんざんだ。で、帰りがけにクラブに寄ってジムで活を入れようとしたけれど、まだバケーションからさめやらない週末なので、プールにはなんと人が一人も泳いでいない。それなのに、水着一式忘れて行ってしまった。何をやっているんだろう、もう!大きなプールを独占してサメのようにだってなれたのに!...サメになりたい気分だったのに!
 仲間に見つかって、また水着忘れた?どうかしてるんじゃない?とやり込められてしまった。今週2度目なのだ。

 やっぱり薄ぼんやりしてしまって、腹筋もいくらやってもなんともない。
270回でもちっとも苦しくない。まともにやっていたら玉の汗でなきゃウソだ。いい加減な力のかけ方だったようで、ちっとも活が入らない。

 明けて日曜の今日は、昨日何時に電話してもちっともかからなかったという非難が集中した。あなた真夜中に電話回線不通で何やってるの?インターネットにしてもおかしい!と相当に怒っている。....生徒に電話だってば..
 かくして日曜は叱られてばかりだ。
 電話に出るたびにあ!ごめんなさい!!ばかりで嫌になってしまったので、またクラブに逃げ出した。

明日からうんと絞り込んで徹底的に鍛えるぞ!

そう、これしかないのだ手っ取り早い回復術。
何を言われても慰めにならないものね。汗とともに愚痴も恨みも逡巡もみんな流してしまう。筋肉が生きかえってよれて来る頃にはまた、健康で爽やかで、好ましい精神に満ち満ちている、というしかけ。
 踊りをやっていて何が一番すばらしかったか、というと舞台のきらびやかさは別にして、こういうものを持っているということだ。さわやかですがすがしい、そういう状態にすぐになろうとして、なれる事だ。
 あのつまらないグッチのバックを抱えているより、フェラガモのスカーフを巻いているより、おぞましいCDマークをべたべたまとっているよりもずっと
素敵なことだ。
 ところでね、あのクリスチャン・ディオール社のジャドールって、ひどい悪臭。胸の悪くなるようなパフュームよ。これをつけたら、恋は破綻し、契約は壊れ、仕事は難航し、創意は霧消しそう。ただ、あそこはポスターだけは本当にいつもセンスがいいものだから、あの金の沼から出ている美女の素敵な雰囲気と、空港での退屈のために思わず手を出してしまったのだ。
 ゲランのTOO MUCH、エルメスの24,Faubourgに続いての大失敗。この三つだけは避けて通らないとよ。コティのグレープフルーツコロンの方がずっとまし。。。。さぁてと、乱舞になって来たのでこの辺で。

●2001年09月12日(水)

【執念深い国、すぐ忘れる国】


午後にスタジオに入ってきた人から、アメリカでのテロを知ってびっくりしてしまった。その後にカフエのテレビに映像が映って慄然とした。
このままで、あのアメリカが黙っているわけはないから、とても暗澹たる気分だ。教育も、知性も、理知も、多くの聡明な人々も、こういうすさまじいばかりの暴挙の前には制止力がない。
かくして戦争は起きるのだ。いつでも聡明な人々が制止できなくて...。

 この間の靖国の時も、朝鮮で何人もの若者が抗議のために小指をつめている、信じられないようなニュースの映像に呆然とした。
日本の教科書がけしからん、というけれど、こんなに若い人がこれ程の憎悪をたぎらせるためには、余程の洗脳的教育をしないと、とてもこんな風にはならない。
 日本の教科書どころの騒ぎではない。
あちらは戦後半世紀以上もたつのに、その戦争と何のかかわりもない若者達に日本への憎悪を丹念に植え込んで余念がないに違いないのだ。おろかで、哀れなことだ。
悪いけど、もう謝罪はお断りよ。何度も謝っているじゃないの。
有史以来、全ての戦争は愚かであり、賢明な戦争などひとつもないのだ。
謝罪しろと言ったら、もう世界中、誰も何も発言できなくなる。それほど人類の歴史は侵略と略奪と暴行に満ちているのだ。
私は勿論あの戦争を肯定しない。
でも、もう謝れと言うのはやめて。
あなた達は、侵略していない?
チベットに何をした?東トルキスタンはどうした?
 
 ここら辺で日本人はいい加減、覚醒しないといけない。
至誠を尽くしても、その憎悪があまりに大きいと、とてもだめなのだ。水になんか流してはくれないのだ。
 あるいは、水に流さないことによって大きな国益が見込まれる場合は、政府は国を挙げて国民をけしかけ続ける。

 真心こめて説明すれば、きっと理解が得られると首相とその閣僚などは打ち出しているけれど、恨みの深い、決して忘れたくない民族性の中国人だの朝鮮が相手では、不可能かも知れない。
あの人達は私達みたいにすぐに忘れないのだ。
その執念たるや、半世紀が百年だってずっと同じ憎悪の火を子々孫々に伝える
くらいなのだ。日本人には理解さえできない。

 一党独裁の中国では、日本が確か六兆円だったか、気の遠くなるような経済援助をしているのに、せっせと記念公園を建設していたというのだもの。
何の?て、日本人が中国人を惨殺しているブロンズ像を何十と公園のメインに林立させて、永遠にこれを忘れるな、のスローガンを立てたというレポートを読んだ。確か2000年に建立なったばかりの公園ですよ。
人の教科書なんかに文句が言えると思います?

土井たか子さんは、何て言った?小泉首相の靖国のお参りの後で。
「これですっかり何もかも水の泡です。せっかくアジアとの友好をここまでこぎつけたのに、(なんてことしてくれたのよ、首相は!)」
何やったって、どうせダメなのよ。あそこは一年中日本人と政府をバッシングしているのだから。靖国のせいではないです。
一党独裁の国というのは、国民を完全に騙しとおすことができるのだから。
国民性は私達と全く違うみたいです。死んでも絶対に許さないのだそうです。ブロンズ像をこしらえて、道行くたびにつばをはきかけろ、と教え込むんですって。そして吐きかけるらしい。
どうですか?これ、どこか日本人の心に共鳴するものあります?

 民族はみんな違う、ということがどうしても日本人にはわかりにくい。

 こんなに執念を燃やし続ける国と日本が隣接していて、私はとても恐ろしい。
しかも自分の国はまだとても貧しく、混沌としているのに、六兆の援助をされている今ですら、ブロンズ像の発想をするようでは、一体、いつの日か誰の力もいらないほどの実力と国力をついに手に入れた時はどうなるのだろう。
正攻法の純情外交ではとてもダメだ。それだけは確かだ。

●2001年09月11日(火)

【脳みそ足りなくて、幸いする...】


 トップページが目にも鮮やかな紫と黄緑のコントラストでとても嬉しい。
白いバタも美しいでしょう?これは1回着ただけで北海道の生徒に行ってしまった。どのバタもみんな1回で集中生のワードローブに行ってしまう。

 黄緑と紫の組み合わせは92年セビリア万博、日本館のコンパニオンの制服の色だ。
 誰だったか思い出せないが名のあるデザイナーの手による制服で、すごい人気だったのだ。君島一郎さんだったかしらん....?
 日本館の館長とは親しくしていただいていたので、万博の終了の頃に新しい制服を思い出に下さる約束だったが、ついに果たせず。閉館のごたごたで小さな約束は霧消して、少なからずがっかりした。

 あの万博では私は海外特派員の身分で、ジャーナリストのIDを持っていた。万博会場の中は自由自在、世界のジャーナリストのためのプレスセンターも顔パス....え!?あなたフラメンコも踊れるのですか?と言われたくらいだ。

 万博の3年前ぐらいから、通訳とジャーナリストの身分証をいただいていた。日本の広報活動のために主要記事の翻訳を1年くらいしていた。
とても楽しい何年かだった。

 踊り手にならなかったら、翻訳家か同時通訳で生きて行きたかったので、短い間だったが、一応の夢はかなったのだ。ただし、言語が英語でなしに落第寸前だったスペイン語だとは、かつて学生の頃には思いだにしなかったけれど....人生、わからないものだ。
 短大の学長がスペインまで訪ねてくださったくらいだ。
ついでにマリア会の修道女達も次々と私の踊っているタブラオに見に来てくださって、仲間達の間でうわさになった。アキコは不思議なファンをいっぱい持っている。マリア会のエルマナやイエズス会のパドレ達まで...!

それが日本でも話題を集めて、ついに母校で講演して欲しいと言われて2年前に破天荒な講演もしてしまった。
講演だ、公演でなく....ははは。
 短大のフラメンコ研究会がひどいから、教えに来てほしい、とさかんにスペイン人の先生に乞われたが、いかんせん、神奈川県の秦野は遠い...お役に立ちたいのはやまやまだが。

 英語は忘却のかなたに行ってしまって、英語科卒と言うのは気がひけてしまう。現存の上智短大のSEA、ソフィア・イングリッシュ・アソシエイション、俗に言うESSは、私が5人の親友と創立したのよ。
えへん!私が初代バイス・プレジデントだ。(それがまあ、今ではこんなに落ちぶれて....)

プレジデントだった親友はビサカードの社長と結婚してアメリカに住んでいる。超美貌のSEAマネジャーはピンクレディの英語教師&通訳をした後にずっとアメリカ住まい。
考えてみると、みんなして国際結婚ばかりだ。
三人とも日本に住んでいない!
英語がダメになったのは私一人だ。
 違う言語をやる度に、前に得意だったものがダメになるようじゃ仕方ないですよね?コップ1杯の知識しか入りきれない私です。
で、こぼれちゃうんだな、きっと。
 ついでに四谷の上智大学フラメンコ研究会の創立メンバーにも私は入っていますよ!土曜というと、8時間くらいぶっ通しでレッスンしていたのだ。

 えーーーと、どうしてこんな話ししている?
あ!トップページが鮮やか、から飛んでしまった。
みなさん、如何?これをやってくれたSさんに賛辞を贈ってくださいね。紫の色調だけでもパレットから番号指定して、それはうるさかったのに一生懸命やってくれたのだから。
 いつもHPに貢献してくれていたNさんは、このところ午前2時くらいまでシステムと戦っているんですって。タクシーでないとお家に帰れないそうよ。 日本の女性も聡明だとこんなに使われてしまって本当に大変なことね!私だけね、いつも踊っていられるのは!脳みそが中途半端なお陰よ、ははは。

●2001年09月09日(日)

【肩のこらない、じゃなくて、めちゃくちゃこる女の巻き】


今週は私の住んでいるトマーレスではフェリアなので、こんなに遅い午前3時を回っても音楽がここまで聞こえて来る。

 いつもはとても閑静ないい環境なのだけれど、ちょっと辟易としている。夜中まで遊園地の乗り物がピカピカの電気で飾られてゴーゴー走っているのだ。
旅行者だったら面白がるかも知れない。

 さて、旅行だ。
 せっかくなので人に甘えずにタクシーに乗ってホテルに行きなさい、なんてうがったことを言っておいてやっぱり心配で耐えられないので先生自ら、夜の空港に出迎えに行ってしまう。
もう、マイクロバスの打診もしてしまった。

 稽古ざんまいでお買い物もする暇がないくらいだけど、週末はすごい所に連れて行ってあげようかな、とメールを回したら、
「え?誰も行かないようなところって例の先生が言ってる、夜に動く幽霊木馬ですか?」なんてとんちんかんな返事が早速来た。これで一挙に心配になる。...マイクロバスを出すしかない。

木馬はこっちが望んだ時には動いていないんだったら。幽霊がアカデミーの見学に合わせてパフォーマンスするかって。大丈夫だろうか、こんな集団!

 たかだか10日かそこいらの旅行で大袈裟過ぎるけれど、宗教の話しがどこかで出たら、日本人の通例となっている「無神論者です!」だけはやめてよ。
絶対にダメ、これ。
何故か?
ウソだからよ。
よおーく考えてみて。日本人の宗教というのは、神社に詣でて新年を祝い、七五三を祝い、成人を祝い、この心にウソはないのだ。ちゃんと神妙な気持ちで手を合わせている。お葬式に出て仏様に手を合わせ、お焼香をする時に神を仏を信じない、なんて事は心に思い浮かべもしないのだ。

旅に出てひなびた街道のお地蔵様に、なんとなく心誘われて拝みもし、自然の中に言いようのない何かをきっと感じているのだ。つまりこれが私達が自然に身につけている宗教感でなくてなんだろう。

宗派がはっきりしないだけだ。なんにでも拝んでしまう。日本の宗教というのはそういう水のようなものだし、キリスト教のような激しさで選択を迫るようなものではないのだ。

 だから、私は特に宗派にこだわるような厳格な宗教を信奉しませんが、あの空の向こうに大きな存在のあることは信じています、というような説明をしないといけない。これなら彼等は一様にうなづいて理解してくれる。
その上、多くの日本人にとってこれは全くの真実なのだ。

 無神論者という通念は誰が唱えて日本で一般に信じられるようになったのか知らないが、これは真実でない上に、こんな事を言うと外国ではあなたの始末に困るのだ。まるで文化的背景がないように不確かで、言葉が続かなくなる。
だから、この際、こういう事も考え直して。
えーー!?だってぇ、そんなのスペイン語でどう言うのですぅ?
難し過ぎるゥ!....ぼやかない、ぼやかない。
こういうことを適当にする人は日本の国のためにならないから、成田から向こうに出てはいけないのだ。お金の都合がついたら何をしてもいいというわけじゃあない!
少なくとも私の門下生としてはもうちょっと意識を違えて欲しい。
では、何かのご縁で師弟となったのですから、先生の願いを聞いておくれでないかえ?で、どう?
ははは....ちゃんと言い方教えてあげるから。あとでスペイン語にアップしておきます。

 あなたは何教ですか?ときっと聞かれるから。転ばぬ先の杖。
なんにも信じません、というとこっちではいかにも軽薄に響いてしまってあんまり良い結果にならないのよ。

 私なんてすごいものね。赤ちゃんの頃のお宮参り、七五三、成人式はみんな神社のお世話になり、家は浄土真宗で(確か)、結婚式はカトリックで、それじゃあ育てた張り合いがない!と母親に抗議されて仕方ないので後で文金高島田の白無垢も着て、多分葬式は仏式になるかも....というところだ。
日本て、これ、あんまり不思議ではないのだ。

靖国神社にあの、素晴らしい決断と勇気の首相がお参りしたって、中国だの朝鮮にとやかく言われる筋合いはないのだ。自分の家で誰にどう拝もうが人に指図されてたまるか!内政干渉もはなはだしい。おまけに軽薄なマスコミが、一緒になって首相をたたくかね!
外から理不尽な事を言われたら、国民一丸となってでも首相を守るものよ。たとえ本心は100%この人を支持していなかったとしても。

国としての体面、民族としての誇りが問われる時には、外国に弱みをみせてはいけないのだ。この夏、8月15日には日本人の欠点が丸出しだった。
日本がことごとく外交に失敗するのは、相手につけ込まれても諾々として言いなりになるからなのだ。アメリカの言いなり、ロシアの言いなり、朝鮮、中国にもガンとして物が言えない。だから失敗するのだ。考えてもみて。これだけ札びらを切ってあしざまにされている国も世界に二つとない。

外務省は、各政党は、こぞって無能だ。
朝日新聞社説、土井たか子、許さんぞ!おのれ.....とととと、ああ、
抑えないとね。

今夜はなんだか眠れない。非力なフラメンコダンサーは日本の国を思って眠れないのだ....滑稽な図とお笑いくださるな、と。

●2001年09月08日(土)

【スペイン事情】


研修旅行用のスペイン語をアップしたので、ついでにこちらでもフォローします。行かない人も明日はわが身ですから、この際一緒に勉強しておいて下さい。
さて、手始めに、スペインでの移動について...

 首都マドリーより、バルセロ―ナの方が物価は高いみたいです。
そしてどうも、こちらの高い方が文化の香も濃い気がします。

ぐっと田舎くさいセビージャでの移動ですが、公共の乗り物はバスとタクシーのみ。電車、地下鉄はまったくないです。県外の都市に出て行くためにだけは、汽車と新幹線があります。

 日本からやって来ると、どうしてもタクシーは身近に感じられないみたいですが、ここでは市街を端から端まで乗りまわしても1000円前後しかしないので、時間にゆとりもなければ、言葉もヒアリングも怪しい旅行者はじゃんじゃん活用するべきです。
だって、バスは静かにやってきて途中の停留所の名前を一つも言わずに止まり、またひたすら走るだけなので、景色に慣れていないといけない。
時間がたっぷりある時だけ、ぼんやり乗ってきょろきょろ楽しく見学して来るのはそれで楽しいでしょうけれど、びっしりスケジュールの詰まっている舞踊留学で来たら、じゃんじゃん手を上げてさっさと目的地に連れて行ってもらいましょう。日本と違って住所さえ渡せばたちどころに着けてくれます。道も番地も整然としていて、知らない道というのはほとんど皆無なので安心です。
三人か四人で便乗していけばバスなんかより安いかも知れません。

郊外に出る時も、タクシーで十分行けます。
例えばヘレスなんていう遠いお出かけでも、タクシーに交渉して夜にこういう劇場で出し物が見たい。終わるまで待っていてまた連れて帰ってもらうのにおいくら?と聞いてみる。自分にも切符を買って観劇させてくれたら待ってるよ、という事もあるかもしれないし、夕食をちょっとはずんでくれるとか、(一緒のテーブルで、という意味ではない)それなら往復でこのくらいでいい、という数字を出してきます。
 スペインは劇場の出し物は夜の九時、十時から始まるので帰りの電車は間に合わないし、この時間だと地方都市はタクシーもなかったりして大いに困ります。カデイス、マラガ辺りの遠出でもタクシーを使うのに大決心はいりませんよ。
 今回の研修では朝に出かけて、夕方もレッスンなので、バスなんて慣れないものをぼうっと心配しながら待っているのは時間の無駄かもしれません。さっさとタクシーで移動して復習し、そこいらの気に入ったBARでTAPAかランチメニューを取って旅の楽しみも満喫して、次ぎのレッスンに駆けつける方がいい。7時か8時に終わるなりまた、ホテルに帰り、ざっとシャワーに入って急いでめかし込み、タブラオへ急行。疲れて間に合わない日は一部に間に合おうとしないで、二部が始まる真夜中の12時にゆっくり仮眠して出かければいい。(朝まですやすやか?)
 タブラオは比較的近所に集中しているので、一部の後によそに移動して二部も楽しめる。毎日二つのタブラオを見れる。全部しっかり録音して来る事。そして自分の記憶とテープの二つを頼りに向こう3年間の教材をしっかりスーツケースにしまってお帰りなさいね。

 朝から夕方までレッスンが詰まっているのでお買い物の時間がないです。
一つ、苦肉の策は、朝、10時には中心街に行っている事です。店が開くのと同時に1時間の買い物をして、そのままタクシーでスタジオに直行。こうやって大概のものは細かく買いそろえる事も可能。
デパート意外は昼の2時から5時まで店を閉めてしまうので、注意。
夜の9時までやっているデパートは強い見方。ここでなんでもそろえてしまうつもりなら、そんなに大変ではない。郊外型のデパートなら夜の10時までやっています。

フラメンコシューズは色物は2ヶ月くらいかかります。日本に送ってもらう手続きをしないといけない。お勧めのメーカーなし。どこのも気に入らないから。頼んだ色に染めあがって来たためしもないしね。ま、いいじゃないですか。そこがスペインよ。
 衣装も突然の割り込みで作ってもらえない。先週、生徒のバタ・デ・コーラを(他の人の間にこっそり入れてもらって)注文したばかりだからもう、なんにも作ってもらえそうにないし。
 いいじゃない?お金の使い様がなくて。しっかりレッスンしてね!

●2001年09月07日(金)

【パーティ】


とりあえず、ゲストブックにものが書けて安心しました。

昨日はせっかく書いたつれづれを貼りつけそこなって消してしまい、がっかりして何もできませんでした。
おまけに、突然画面が夕焼け色に変色して以来、強制終了すらできなくなって一巻の終わりかと思いました。ふう...!

スペイン語がなかなか更新できないのは、回線や、これらの諸事情でとてもやりにくいからなの。誰かSEが来たら相談してみます。それまではご勘弁下さい。細々とやって行きます。

 さて、パーティについていっぱい書いたのに消してしまったので今日は同じ事が書けない。参加については、バレエの生徒も勿論アカデミー生なのですからどうぞ。
実は、こんなに楽しそうで素敵な女性が沢山のパーティ券、売って下さい!ダメなんですか?という男性の声がしきりなのですが、どうしよう.....
レッスンばかりで縁遠くなってしまわないように、なんて余計な事も考えなくもないのですが(笑ってしまいますよね)
今年は生徒だけでも希望者が全員入るかわからないので、殿方には来年以降にしていただきましょうかね。がっかりした?でも、ほら、どんな殿方がお見えになるかわからないというのも不安じゃないですか?最終的にはとんでもないお友達のそのまたお友達が大勢ドア口に現れるかもしれないもの。選別なしだし、ねぇ....思っていたようなパーティにならない危険性もあるかもよ。

 もうすぐ申し込みの概要が各スタジオに貼られると思いますが、参加希望者は今月と来月できちんと名乗り出てください。飲み物はソフトなのか、お酒はどんなものか、とかも。
集中レッスンで夜まで時間の余っている人達がお買い物に走るので、ちゃんとしたものが揃えられるようにしないと。

人数もはっきり出た上で、みんなのお友達や、外部からの希望者も受けられるか考えないといけないので、内部の希望は9、10月末で〆きり、それによって結果を見てから11/1〜10までで、外部希望を入れます。

あるいは、内部だけでも大変な事になるかもしれず、今年は先着順で〆きらせてもらいますよ。PC持たず、このページが見れないクラスの仲間にはこの旨伝えておいてね。〆きりの後で必ず泣きつく人がいつもいますが、今度ばかりはダメなのでしっかりね。
不手際もいっぱいあると思いますが、何しろ初めての創立記念パーティなので。予測が全然つかないので悪しからず。もし来年になってもアカデミーが潰れていなければ、今年の教訓を生かした工夫をするので、お許し下さい。

●2001年09月06日(木)

【次回集中レッスン予告】


ひぇー!もう?
そうなのです。人生は過酷です。1分も待てない。
お正月ではどう?の打診してみましたが、事務局サイドで既ににべもなくはねつけられてしまいました。

 地方参加者から、次ぎの集中の日程をとにかく早く知らせて欲しい!と言われ続けているので、まだ帰ったばかりですが、とにかく日程確定しました。

11/30金〜12/9日と決定。

地方の方、これを目安に飛行機のチケット、どうぞ。今回は台風で九州に帰る方は大変でしたね。お疲れ様でした。お子さん連れで本当に感心な事です。

北海道、秋田、茨城、遠いところから毎週出ていらしたり、みなさん熱心で嬉しかったです。私もよりよい教師を目指して頑張ります。12月はテクニカ中心で久々にブレリア・タンゴを沢山入れたいと思っています。歌がみんな上達しましたね!意外!希望筋かも!!!

私が破産するための豪華景品とりそろえのうちの創立記念パーティは、

12/8土 です。

この日は集中レッスンをばっちりやった上にですね、
一時間かけてメーク、衣装に着替え、わあ!こんなにきれいな人ばかりでしたっけ?となって夜は大パーティです。地味な紺のスーツの人は中に入れないので覚悟して下さい。ノーメイクの人には先生が入り口で銀ラメなんかを刷毛でつけちゃいますよ。

イブニングドレスが当たった人は、この夜はその麗しい姿で過ごすのが条件なのでワイヤーカップのひも無しで全員参加してください。「着ない」とタダをこねる人にはせっかくドレスが当たっても権利放棄になります。サイズが大きい場合は安全ピンでフィット。小さい場合は、その場で競売にかけて現金を手にして帰っても可。
いや、ダイエットする!と宣言しても可。

スペイン往復航空券は、とりあえず当たった人の日程の希望をとるのがとても大変なので、マドリー成田間の往復にします。スペイン国内は当たった人の自由という事にします。
必ず私の住むセビージャに来なくちゃ、と思わなくてもいいのだしね。セビージャにつなぐのってとても大変なの。特にその日のうち、というのが。
当たってから1年間有効。
みんな遠慮してか、この話題にちっとも触れないのだけど楽しみにしているの?
何か言ってみて。

●2001年09月05日(水)

【日本に帰国、スペインに帰国】


 こっちに帰って二日目に練習生から電話をもらった。
確か今回私が日本に行っている間にスペインに着いて、こっちで待っている、という集中レッスン生、その他が何人か居たのだ。その他、なんて言ってはいけないかな。まだお会いした事のない練習生、という事だ。

 日本のレッスンが終わるのを待っているので、スペインで見て欲しいという人達だ。
 せっかくだからスペイン人のところに行きなさいと言うのだけど、いえ、行きます。その上でやっぱり見て欲しいんです、と言うのだ。

 昨日の人はてっきりそのうちの一人かと思ったら、そうではないと言うのだ。まだ帰ったばかりで仕事が山積みだし、レッスンスケジュールも把握していないので、と少し逃げ腰だったのだけど、「不定期便も徒然草もとっても楽しみにいつも愛読していました!!前回スペインに来た時も先生は日本に行かれた後で見て戴けなかったんです!今度で2度目なんです!!」
こんなに熱心に畳み込まれてしまった....まずい、HP愛読者だ!

 じゃあ、レッスンするとしたら来週のこれこれこういう日、時間はだいたいこのくらい、よく考えてからまたお電話ちょうだいね、と言ったら「今決めてはダメですか?」と、誠に頭脳明晰。押されっぱなしの頭脳は曇りの私。

「来週からレッスン開始だから時間によってはどこかであなたの事、車でひろってあげれるかも知れないし、トリアーナの方でスタジオが空いていたら見てあげるか、まだ表もみないといけないのよ。とにかく、さっきちょっと運転したんだけどね、なんとなくまだぼーっとしていて危ない感じだから2、3日は待った方が安全よ。だから火曜日、とだけ決めて時間は月曜の夜に決めない?」.....こんな調子。あはは...と相手はやっと緊張を解いて「そう言えば初心者の時にすごい事故にあわれたんですよね」なんて何もかもご存知なのだ。
「ううん、初心者でなくて、あれはつい去年の事なの。ね、だから私の車、まだ乗らない方がいいんじゃない?」
そうなんですかぁ!と、何故か相手はますますリラックスできて嬉しそうなのだ。なんだか私まで嬉しいような気分に引き込まれて、笑ってしまった。

 最近私の事はなんでもよく知っている、一度もお会いした事のない人に出会う。もしかしたら前に会った人なのかな、とどっきりしてしまうような懐かしそうな笑顔を浮かべている事が多いのだ。いえ、初対面なんです。でも、なんかそんな気がしなくって、とにこにこしているのだ。
 この間来た子なんて、一日に3回もHPをクリックするというのだもの。会社に着くとすぐクリックし、お3時の休憩でクリックして、まだ今日は何もない!と退社際にまた一応クリックしてみるというのだ。
   
夜更けにつれづれをアップして休もうとすると、アップした途端にザザ!とカウントが上がってびっくりする事がよくある。こんな早朝からPCの前で何しているのかな!とよく思う。その場でクリックした人とやぁ、おはよう、でもお休み!と言葉が交わせたらいいのに。あなた、こんな朝に何を職業にしている方なの?とか...聞いてみたくなる。夜勤明けの職業というのも多いみたい。看護婦さん、SE、いろいろらしい。...どうもありがとう、気にかけて下さって。

●2001年09月04日(火)

【成田空港に本がない!!】


どうしてかしらん...7月にも誰かが買い占めてしまったのか、ろくなものがなかったのだ。
 今回は周到に街の本屋で何冊か買っておいたけれど、やっぱりハズレばかり。あまりのつまらなさに眠れなくなってしまう。

 日本に居ながらにしてぱらぱら拾い読みしてもがっかりするものばかりだった。どうしちゃったのかしら、夏休みで読書家が増えて品切れ状態か、それとも作者がダレて書けないか、不思議ねぇ....かくして楽しく読めるものが全然ない。
 あんまりなので、搭乗2分前にいじましく芥川賞と直木賞の受賞作の載っている雑誌をわしづかみにしてきたけれど、後者の方を読んですっかり寝つけなくなってしまった。
 始めに直木賞の審査員となった、そうそうたる作家達の賛辞が載っていて、みんなして絶賛しているのでわくわくしてしまったのに、受賞作を何十ページ読んでもちっとも感心しないのだ。
非常に素晴らしい作家だ、描写が優れている、というのにちっともそうは思えないのだ。
「恋愛小説というありきたりそうでいて、かえって非常に難しいジャンルを見事に...」という意見でまとまっているのだからそうなんだろうな、と素直に期待していたのだけれど登場人物が誰一人として魅力がない。
そのうち魅力的になるのかな、と辛抱していてついにしぴれを切らしてしまった。つまらない主人公は、突然すばらしくなんかならない!

いつだったか生徒が、「先生、これ、今話題になっている渡辺淳一の小説!」と肝いりで置いて行った時と同じ。
どうしてこんなものが絶賛されるのか、という感想を持ってしまう。
陳腐以外の何物でもないのだ。
...実は少なからず自信がなくなる。日本人的な感覚が皆無になってしまっているのではないかという不安にさいなまれてしまうのだ。だってこんなものがみんな大好きだと言うのだもの。共感できないので不安になる。

 反省してみると、例えば夏目漱石の小説は今でも関心する。明治という遠い時代に、驚く程みずみずしい女性が描かれているのだもの。男の人で、あんな風に女性が描けるというのは大したものだと思うのに、現代物では、男性の作家には女性が描けていない気がするのだ。
女をみくびっているというか、この作家はろくな女性と巡り会っていないのではないかと疑ってしまう事が多い。プロの作家なのだから読者をもっと驚かして欲しいな。圧倒されたい。
誰かーーー、圧倒させて!その筆力で、その創造性で、その情熱と冷徹な知性で!
...かくして起き上がってきてしまった。まだ日本から帰ったばかりでもう、読むものがない。もう1冊の芥川賞で感動しなかったら、マフィアのジョン・ゴッティが逮捕されるまで、というのしかない。あとはお休み前には全然適さない、真面目な「自閉症だった私へ」という多分かなり重い本だけ。
面白いミステリーが1冊あったのだけど飛行機の中で読みきってしまってスチュワーデスに上げてきてしまったのだ。研修旅行で来る子達、何か面白い本を持参して来ないかなぁ.....

女の描けない作家が描く男も、大抵つまんない人ばっかりよ。じゃあ、お前書いて見ろ!と叱られるかもね。日本人離れしていて、全然共感を呼べないのじゃないかなぁ。試しに書いてみてもいいけど、面白半分で買ってくれる生徒の数しか売れない本になるんだろうなぁ、きっと。

こぉんな女性がいるわけないじゃないですか、こおんな男の人、どこにいます?みたいな...いるってば!随分魅力溢れる人達に、沢山巡り会ったけど...。

http://www.flamencoole.com/

フラメンコ・オーレ!〜スペイン発フラメンコ情報サイト〜 メール


WebDiary CGI-LAND