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2008年09月のセビリア発信・つれづれ草
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●2008年09月25日(木)

一見何でもなさそうな公的な場所の考察

国立図書館のような立派な建物と立派な庭と
素晴らしい蔵書と ちょっと入りにくい雰囲気の場所に出向く時
私達女性は異性の事なんて考えつつ出かけるだろうか。

何を突然 と思われるでしょうが まぁ 聞いてください。

先日、日本展の打ち合わせ会議があって時間が半端に余ったので
図書館で勉強して調整に使おうと思い立った。
図書館の素敵な庭に腰を下ろして携帯の連絡を待っていると
早速 男性がやってきて少し離れたところに座った。
身なりのきちんとした紳士風情だったし、ここにかけてもご迷惑ではないですか?と丁寧に聞くので まぁ 普通かなと意識もしなかった。彼はベンチの広い幅を利用して私から離れた上に対岸に座って 親密度を避けてくれたのだけれど おやつに持って来たと思われるフルーツを勧めてくれたのでちょっと驚いた。
丁寧にお断りしたけれど なんとなく気持ちにひっかかるものがあった。

次に館内に入ると結構熱心にみんな勉強している風で机とイスに空きが無かった。

児童図書の方はがらがらに空いていたので
これ幸いと200平米くらいある机のゾーンをほぼ独り占めにして
勉強し始めた。
五分もしないうちに私の隣に人の気配がして 誰かが座った。
次に話しかけられて驚いて振り向くと 30の半ばくらいの男性が
私の書き物について質問している。失礼にならない程度に答えて
又 自分の作業に熱中したけれど なんだか隣が落ち着かなく
まだ何か色々話しかけてくる。二回目の質問に答えてからあとは一切聞こえない振りで通してしまったけれど 中々あっちに行ってくれなかった。

私は、というと辺りに何メートルもある10人がけの机とイスが何十もあるのに どうして私の隣にぴたりと座らないといけないかな、という疑問。
濃く匂ってくる男性用コロンが疎ましくて気味が悪い。
そう、児童用の図書しかないところでこの男の人は何をしているのか。

後でつくづく考えさせられたけれど 図書館だからって子供を置いておくのに安全とは言えないなと思い至り ぞっとした。

図書館っていうのは人選びのマーケットに違いない。
子供から年寄りまで全ての年代が来る。
相手に防衛の気持ちはあまりないから 親しくなろうとしてなれなくはない。
ナンパに最適な場所に違いない。

昨年のスポーツジムでの教訓とともに 又一つ頭にファイルが増えた。

スポーツジムで60がらみの元大学教授という触れ込みの男性が
機械を使っていると色々と指導しに来る。お年寄りだからって安心してしまって口をきいてしまった後で ジムのモニターに注意されたのだ。

あの人はああやってジャージの上下に身を包んでやってくるけれど何一つ運動をしないで女性の傍に行っては世話を焼いて話しかける。それだけで何にもしないで帰って行くんだよ。
えーーーーー!!!???
驚いた記憶はまだ鮮明だ。

スポーツジムに加えてグレーゾーンは図書館 
それから一説にはスーパーマーケットも、だそうだ。

いやーーー私なんかにはお時間割いてくれてありがとう、なのかもしれないけれど 子供は警戒心と経験が無いからよくよく注意してやらないといけないなと思った。

近くの老人が言う
何でいつも男だろうか
女性が図書館、ジム、マーケットで男につきまとうっていうのは無いのかね、ですと。あはは 聞かないですねーーー忙しいもの私達は。

●2008年09月18日(木)

なかなか忙しいと....

前回のつれづれから一週間も経ってしまった!
スペインの九月は日本の四月のように新学期なので忙しい。

仕事がお団子になってきて大変だ。

11月に日本文化週間があり、ここに私の着物のコレクションが展示される。
場所は あの美しいマリアルイサ公園の脇の市立図書館だ。
この建物も中も本当に美しい。

着物の歴史と解説もスペイン語で書かないといけない。
西陣についてとか 名門、川嶋織物についてとか
ずっと個人レベルでもスペイン語で書いておきたいと思っていたのだけれど お仕事として翻訳の依頼が来た。

こういうのは作文からやるんだから翻訳とは言わないで何と言うのだろう?

日本大使館やセビリア名誉大使も後援する規模なので
中々面白い展開だ。
あの敬愛するグティエレス神父ともご同友として参加だ。
人の縁の不思議。
ほら いつかここで書いた日本文化と日本美術の卓越した研究家であり学者の元上智大学教授です。
たまたまデパートで娘が買ってきた本がこの方の著書でした。

それにしても私の花嫁写真がポスターになって飾られる

え?これあなたなの?と係りに言われたくらいに
今の私と似てない。
白いし 若いし...白無垢だし。笑

私の祖母は武家の出なので 
白黒のそれは立派な風情の老婦人の写真がある。

紋付の黒い羽織を着て束髪にしているのが素晴らしくあの明治の時代の貴婦人の感じが漂って、
吹けば飛ぶような私とは大違いの時代と氏族教育から来る薫りというものがにじんでいる。
これもスキャンが欲しいと言われている。
こういう白黒の写真もみんなスキャニングして会場に飾るらしい。

豪華な花嫁打ち掛けは ガラスの大型ケースに入って
開会の前の記者会見に華を添えるそうだ。

やっと日の目を見る内掛けであります。

日本の文化がこのようにセビリアの人々の視覚に強くインパクトを与える形で紹介されるのはとても嬉しい。
これらを梱包しては日本から送った苦労が今になって
実になりますね
送っただけの価値はあったというべきなのかな。

開会と前後三日は着物を着てきて欲しいと言われているから
やっと仕付け糸が取れる着物達でもあります。

やれやれ 着物も着る機会が滅多にない。
いざと言うとめんどくさくてすぐ洋服に手が行ってしまうからだ。

ああ、お琴が演奏できたらなあ と思う。
誰か弾いてくれないかなと言われたけれど
うーーーーん とうつむくつまらない私です。
和装で日本文化展でフラメンコってわけにも行かないしねぇ...

近々小学校にフラメンコを教えに行かないといけないし
ファンキーとジャズも教えないとだし
お琴には本当に手が回らない。
日曜の朝九時は琴!とか決めてしまえばいいのよねぇ....

頭で考えるようには じゃんじゃんこなせないですね
夏のだらだらを早く吹っ切って しっかりしなくちゃ!!

では稽古に行って参ります
皆さんも良い一日を。

●2008年09月12日(金)

振り付け

昨日 ファンキーの振り付けを自分でしてみて気がついたのだけれど 八月に受けていたクルソの先生の振りよりずっとカッコいいということだ。

なんか展開がなくてつまんない振りだなと思っていたのだけど
後ろ向きとか側面とかの角度が足らないのだ。
鏡に向かって取りやすいようにばかりできているからなのだなと思う。

でもどうして人の振りは中々取れないかなと思う。
本能的に気に入らないと本気出さない傾向があると思う 苦笑
とっさに おい、この展開は野暮だぜ、みたいな事を薄々考えている自分がいるのだ。
こういう人は もう生涯人に習えないと思う。

じゃあ アンタ やりなさいよ、だ。

色々な人のストリート系ダンスを見ていると
その人の基礎にバレエがあるかないかすぐに見抜ける
やっぱり わかるんだな

いいか悪いかは分からないけど
私は本物のストリート系より
バレエダンサーが流れてこれをしてます、みたいなのが好きだ。
自分が目指すのは これ系だなと思う。
これだとフラメンコにも近い。

人の振り付けを自分が習うのに 時間がかかるけれど
自分で作る時もこれと同じくらい熟成に時間がかかる。

結局どちらでも同じなのだ。
だったら自分で作りたいかなと思う。
既製品は 好きになれない。ちょっと小さい刺繍を入れたいとか
切り替えを粋にしたいとかの欲目がいつも出るからだ。

それから一々停まるレッスンにしない工夫が必要で
一連のリズム掛けっぱなしの中で上手に繰り返しとリトールドを入れて振りが完成するようなレッスンにしたい。
これだと有酸素が自然に入ったレッスンになる。

ま、試行錯誤も訓練のうちですね
皆さんも自習する時に工夫してみてください。
停まらないで一時間フルにできるやり方を。

では良い一日を。

●2008年09月11日(木)

新学期

6月から延々三ヶ月も続いた夏休みが今週でやっと終わる。
食傷気味なのは親だけではなくて子供達もだ。
しかし長すぎる...

新学期が始まっても軌道に乗るのは10月だ。
10月ってクリスマスまで二ヶ月しかないんですよ。
呆れますね

 さて、新学期から子供に舞踊を指導して欲しいという要請が
近くの初等教育の学校から来た
体育の先生が私に惚れこんで PTAが主体になって実現に向けて動いているらしい。昨日PTAの会長というママさんに呼ばれてお会いしてきた。
このママさんが 普通の人ではなかった。空手のスペインチャンピオンで、エアロビックの講師を18年も務めた人だそうだ。お子さんが六歳でダウン症で 今は活動はしていないらしい。
空手とエアロビックを辞めた途端に14キロも太ったと言うから
人ごとではないですね、
ゴクンとツバを飲む私でした。

 幼稚園の年長から12歳まで週に八クラスを担当して欲しいと言う。フラメンコクラスが週二回、モダンバレエ(=ジャズーファンキーを含む)が週二回。

給食の後に始まって六時には終わる。
ー自分の活動は午前と夜だから支障は無い。
この半端な夕方の時間は、私には割りと死んだ時間なので
太らなくていいかも知れない。

子供は大好きなので なんとかやれると思う。
ファンキーは習い始めたばかりなのだけれど
あと20日で子供の入門エクササイズをまとめないといけない。

お!八百長臭いぞと読者の皆さん呆れてはいけません。

結局 ファンキーというのはジャズダンスです。
ジャズ モダンというのは基本は同じです
現代風に崩してあると言う以外はフレッド・アステアー
ジーン・ケリーの時代からそう変わってはいないのです。
ああいう洗練をやめて 野蛮に崩しただけの話で
彼ら50年代の昔のダンサーが現代に活躍していたらきっといとも簡単にやったと思います。ファッションと同じで基本は変わらないです。

今週三日で始めのプログラムを確立させて来週自分が完璧にカッコ良くできるようにして これをバレエレッスンの前後に加えて魅力的にしたいなと考えている。
子供は忍耐の必要なバレエは長く続かない。
特に南スペインの人達は駄目だ。

Britny Spearsみたいに踊ろう!というと元気が出るだろう
始めての試みはこっちの準備も大変だけれど
こういう緊張感が無いと自分のレッスンも張り合いが出ないのでちょうどいい刺激だ。

人生 何事もみんな丸ごと有難くいただく事にしよう

さぁて 筋トレ、ストリートダンスレッスン、行ってまいります
皆さんも良い一日を。



●2008年09月08日(月)

秋の気配

そこいらの空気がひっそりと森の匂いを包んで来ている。
九月はいつもは残暑が厳しいのに ここ一週間の朝晩のひんやりとした感じは なんだか物悲しい。

夏の間はあんなに閉口したのに
ここの人達はやっぱりあの楽天家の夏の雰囲気が大好きなのだ。
宵っ張りで午前様と言う時間にまで子供達がアイスクリーム屋で
順番待ちしている 夏のアンダルシアの夜。

先週末に上の娘が少し遅れて誕生パーティを開いた。
仮装パーティにするのだと言って まず自分はミニのマフィアの格好、ガーターベルトに拳銃。

続々と現れた友人達は肌もあらわなベリーダンス、若いきれいな肢体に目が釘付けになった。その度胸もメイドインジャパンではいないナァ....

ミツバチマーヤの触覚のカチューシャまでつけた全身ハチの女の子達、
「オカマになってみました」の女装のスポーツ選手
コメディアンですという豆電球点滅する極彩色の衣装とメガネで登場の男子達。
どうせお手伝いしないといけないのだからといっそボーイの蝶ネクタイで現れた紳士でなくて「ウエイター」

アラブ人ですと言って 本当にあのターバン衣装に片手には爆弾。
配管工ですという ボロボロのつなぎで現れたかわいい女の子。

ご近所には本日誕生日のため遅くまでお目こぼし下さい、のお手紙をポスティングして回った。

それでもディスコ並みの大型スピーカーが庭に仕掛けられた途端に私は多少たじろいだ。

あとはもうがんがん 最新ミュージックの洪水。
ピザが29箱届く。
つまみも飲み物もどつさり。
こういう資金はみんなで割り勘だそうで 私に帽子は回ってこなかった。

ここで私は自分の地味な青春と照らし合わせて
ちょっと驚く。
こういうのは映画でしか見た事が無い。

ママも何か扮装してよと言われて まさか大派手になるわけにもいかないから ゆかたを着て日本人に扮装しておくにとどめた。

それにしても....午前二時を回った頃に密告電話でおまわりさんが二人ご訪問。
「われわれは電話が掛かれば職務で来ないといけませんが、18歳は二度来ないですから 楽しんでね。又電話が掛かって来ればお邪魔するだけですから。お誕生日おめでとう!!」でお咎め無し。

午前3時にケーキが出て ハッピーバースデーが高らかに歌われる。

しかし こういうのは毎月のように近所からこの時間で聞こえてくるから ついにうちもやったね、と言う感じだ。

さすがに私は日本人なので気が引けて音楽のボリュームを下げさせた。
午前四時にはついにマイクを禁止させた。後は知らない。
五時まで続いた模様。

こういう自分だってスペインに渡って始めの10年間は午前3時前に寝た事が無かった。
フラメンコのフェルガは 毎晩徹夜であったし
夜明けの七時のシギリージャなんかに酔い痴れたものだ。

スペインはこれで結構いい所がある。
人生は二度と生きれないのだ という事を教えてくれる。
非日常の時間が あるのだ。


http://www.flamencoole.com/

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