●2006年11月18日(土)
レッスン てこ入れ 昨日、日本のとある地方都市から留学している フラメンコ歴7年と言う人に会った。 彼女の故郷は、フラメンコの教師が居なくて 大都市からたまに来る人にやっと数ヶ月に一度習えるか?という自習三昧なのだそうだ。それで二年に一度くらいはスペインに飛んできてしまって習い貯めして 帰国してからは少しずつそれを元に稽古していく生活で なんとか繋いでいるということだった。 この健気な練習生は 私のファンだというので 色々フラメンコのレッスンについてアドバイスした。 うちの生徒にも 参考になるかと思うので以下、挙げておきます。 ソロコンパスでもおなじみのファナ・アマジャに来週から個人レッスンで一曲終わってもらうつもりだけれど 足が大変で心配だと言うのだ。 「あなたは....ああいう踊りのタイプではないわよ。向かないと思うなぁ。あなたの脚を見てないけど健康の事も考えて習わないと長い年月をかける稽古は 難しいわよ」 これは私の持論で 脚がO脚の人は絶対に足が主な、これが唯一の見せ場のフラメンコは目指してはいけないと思っている。 少し乱暴に分類すると この種類のO脚に危険な踊り手の芸風は ロサリオ・トレド、ファナ・アマジャ、ジェルバブエナ、サラ・バラス あとは若手の男の踊り手のほとんど全てだ。 なるべく 上体と体のこなし方が得意で 独特のフラメンコ的なアイレとか切れの良さを信条にしている踊り手ばかりをよって教師にしないといけない。 O脚もそうだけれど 膝の故障がある人や腰が弱いとか腰痛が出やすい人も 足で見せるフラメンコを目指しては先が続かない。 最近 日本から来る人の何人かに一人は 膝をやられたり 腰をやられて暫く稽古が出来ないという人を見かける。 こんなのはちょっと休めばいいというものではないのだ。 40,50代になった時に きっと全部の総決算として 非常に悪い結果が出ると思うのだ。 容姿の良し悪しは フラメンコは関係ない。 美人でなくても全然構わない素敵な芸能なのだから。 でも、O脚は絶対に足の踊り手を目指しては将来的に難しい。 カッコいいから とか 目先の好みで惹かれて行っては 保健と言う見地を誤る。 残念だけれど 現実は現実だからお稽古は賢く選択して 健康に良い踊りを選んで行かないといけないと思うのだ。 スペイン人の脚というのは 主にほとんどの人がまっすぐなので 力が加わった時にどこかの曲がった節にドカンと響かないで 抜けてくれる。 脚の曲がった人は 曲がっているところにことごとく引っかかってそこが駄目になって行く。 抜けないのだ。 だから パーカッションフラメンコではなくて 舞踊の要素がもっと比重の大きい踊りの芸風に傾いて そういうフラメンコを目指して行くのが一番いい。 趣味でやっている人は それが健康に悪い影響を及ぼさない 物であるという前提で 長く楽しく極めて行くのが正しい。 最近の踊りをやってみて つくづくこの感を強くしている私だ。 思えば 入門生にはいっせいに手首と手の扱いをタラントに載せて教えているけれど 初級、中級のエクササイズというものを確立させていないなと気がついた。 勿論、こんなのは習わないでも自分で工夫してやるのが正しい。 けれども 工夫も何も無い、ていうのが素人の悲しさなのだから 私の方が近づいて行って がみがみ言わないといけないなと思った。 だから「がみがみ今度帰ったら言います」あはは... そのために インスト合宿もやり、まずインストにがみがみがんがん叩き込みます。 平行して生徒にも 是非、アンダルシア舞踊団と国立音楽院の エクササイズから工夫したものを私から習得して欲しいです。 稽古に入る始めの15分が勝負なので この15分をどうやって効率よく 全身ほぐして臨戦態勢にするかというのは 息の長いお稽古に欠くべからざる技です。 ここにいつまでたっても習得できない 上級者のための 上体のエクササイズも作りました やはり継続して毎週、これを稽古のたびに思い出させて 何度も体感してもらわないと 振り付けでさっとできないな と思うのです。 12月から秋葉原の金曜に 上級者のクラスを一回2時間びっしりで新設することにしました。8:00〜10:00 前半一時間を細部に分けたエクササイズの特集にして、後半一時間を集中レッスンの継続クラスとして細かく 踊りこんで行くクラスとします。 ですから金曜の8−9:00に来れる生徒は 意識のある人は誰でも参加してください フラメンコのためのストレッチーバーレッスンを短縮で15〜20分やり、本来踊りに欠かせない全ての軌跡と重心と内側に入ろうとする足を矯正します。それから事務仕事などでほぐれない体を一気にほぐします。後半の45分は 全てのマルカールと体の使い方を丁寧に部分部分を指摘されながら 習得します。集中の時はなるほど と感心していてもすぐにできなくなる物の特集です。これは国立音楽院の舞踊科とアンダルシア舞踊団などでしているエクササイズをスパイスにして私が今回考案しました。 その後に この一時間で作った体で 振り付けをなぞつて行きます。意識のある健気な下級生は ここでお帰り下さいね。 上のクラスが何をするのか 何を目指す物なのかが分かっているだけで今後が違って来ると思うのです。比較的遅い時間に設定してあるので 初級でも来て下さい。 自分がとても上のクラスのベテランだと自負している人も 本当にいつまでも踊りが上手くならないので このクラスを特別に作ったので謙虚に本当の基礎作りから初めてください。8〜9:00 これがなくては どんな振り付けも紙屑同然です。 アイレと迫力というのは この基礎なくして絶対に出ないです。 この新設の金曜のクラスは、向こう一年間のプログラムを組んで成果をチェックして行くクラスとなります。 (受講料は 運営のスタッフが検討中です 間もなくスタジオに張り出されます) 鋭意上達してくださいね お互い、永遠と悠久の世界には生きていません 早く 上手くなりましょう!
|