●2008年11月28日(金)
進路
私も人の親で 一応今年から極めつけの子供の進路というのが浮上してきた。 水泳娘は北京オリンピック寸前で引退してコーチの資格をとにかく学業の片手間の土日で取れてしまうのだから取っておこうということになったけれど 下の娘は王立舞踊学校をあと二年で卒業する。ところが ここで大きな障害が出てきた。 日々とても悩ましい。 王立舞踊学校のプロバレリーナのための課程は10年である。 下の娘は新体操のスペインチャンピォンだったので、後半の過程に試験で入ったので始めの四年は飛び級した。 それでも山のような宿題と試験のはざまに3時間だの4時間に及ぶ王立の日々の稽古をこなしていくのは綱渡りのようだ。 食事の時間もろくにないくらいに厳しい。 夜の10時ごろに帰宅して試験勉強を続けたりする。 こんなにまでさせていいのかな、と思う。 中学卒業までこの生活がずっと続くのだけれど なんとこの先が極め付きに酷い。 10年の課程の最後の二年はーつまり高校からー稽古は昼間だというのだ。だから夜学に通わないといけないと教師に言われた。 愕然としてしまった。 子供にとって友達はとても大切だ。 それでもうちの娘は普段は友達と会ったり電話で長話するような贅沢は許されない。 ところが夜学に行けという。 日本はイザ知らず スペインの夜学の高校なんざ、まともな家庭の師弟は通わない。 極めてよくない環境を強いないといけない。 夜学の高校にやるくらいなら王立を辞めさせないといけないのではと思い悩んでいる。 中学までの友達とは総別れになる。 その上、教師も生徒の質も非常に劣悪な高校に一人ぼっちで通わないといけない。 こんなに真っ暗な学生生活をさせていいのだろうか。 ここに至るまでも結構暗黒なのに、である。 ちなみに夜学のある私立の高校など一つも無い。 王立舞踊学校、たったの二年を残して中退というのも情けない。 しかし、本当にここまでやってきたバレエ課程の学生をないがしろにしている制度だと思う。 その昼間になる理由がまた愕然とさせる。 昼にしないと夜の稽古場がもう空きが無いから、ですと。 200人入ったバレエ学生は最終課程では15人を切る。 そのくらいみんな落伍するのだ。 なんでどうせ落第する初等科にスタジオ優先して ここまで生き延びて頑張った 本当の職業舞踊家のスタジオを確保しない? とんでもない理屈なのだ。 子供は夜学が分かっていないので続けるつもりで疑いもしない。 私は良く事情が分かっているので不憫でとてもやれない。 二歳からずっと続けて来た彼女の舞踊人生だけれど あとの二年がどうしても暗闇だ。 心、鬱々として楽しまない。 努力してどうなるというわけではない とんでもない伏兵にこうしてやられてしまうのか....
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