●2002年12月23日(月)
子供の観客 悪夢のようなパスワード探しで何十という思いつく限りのコンビネーションを入力してやっとこの画面が出て来た。 しばらく書き込みしないでいるとパスワードを忘れてしまう。 あるいはパソコンの不調を直してもらった時にパスのチェックボックスが消えてしまうので、後ですっかり狼狽する羽目になる。 やれやれ...ちゃんと覚えておかないと! オペラ座の怪人はバレエエッセイにアップしたので、こっちは順不動みたいだけど、ロイヤル・バレエについて書き込んでしまう。 いつだったか、ここのBBSで私のエッセイ本文にある、夫が幼少時代にロイヤルバレエを見たという文章に反応があった。本文の主旨はその一事には全く関係ない可笑しい話がメインだったのだけど、どうしてもロイヤルは子供の観劇を許さないからそんな訳はない筈だ、と2度も主張して来た人があった。 ま、勘違いでもいいけれど、いくら由緒あるバレエ団だって子供の入場を拒否する理由なんてあるだろうか。 あるいは、百歩譲っても、文化を継承する次の世代の入場を禁じてどうするのだ? とても不可解。 絶対音感というのは5才までに出来あがってしまうって言うのに子供をツンボ桟敷に置いておいてどこが一流バレエ団だろうか? そんな事が世界に君臨したイギリスでまかり通るだろうか? ずっと不思議だった。 で、今回、コベント・ガーデンに出向いたので自分でちゃんと確かめて来た。 結論=やっぱり子供の入場は拒絶していない。 当然だ。これからクリスマスメニューのくるみ割り人形なんて演目がどこだって目白押しなのに、にくたらしい大人ばかりで見てどうする? ロイヤル・バレエでは子供の入場は大歓迎しております。ただし、子供の座席も確保してください。 これが但し書きにあった。つまり、子供の分を払わないで膝なんかに乗せて見せてしまうのは、ダメ。ちゃんと買ってください。年齢の制限はしていないけれど、自分でイスに座れる年であること。 これなら分る。乳幼児はダメなんだろう。けれど恐ろしく聞分けの良い子で、まだたったの3才なのに芸術の霊感に胸を躍らせるような資質の子には席を与えて座らせてもいいのだろうな。 いつの日か大芸術家、劇作家、演出家にならないとも限らない。 私は自分の公演でも子供の入場は拒否しない。 ただし、普段から躾がきちんとしているか、万一子供がむずがったらマッハの速さで母親はこの子を連れて退場する覚悟でいてくれないと困る。 よく、子供はお断り、などと書く踊り手がいるがこんなすかした奴は地獄に落ちろ、て気分になる。 だってそうでしょう? 子供は私達の後継者なのだから。子供の感想と評価というのは意外と正鵠を射ているものなのだ。だから彼らは最も厳しく、最も正直な批評家でもある。私は舞台に立ったらこの世代にも祝福されたいといつも念じている。
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