私には8才の娘がいます。4才の時からクラシック・バレエを習い、現在は
スペイン王立舞踊プロ養成学校の1年に入学しています。
ここで、この4年間にただの父兄の一人として感じた事は、発表会というのはまだプレ・バレエ、ベビーバレエと呼ばれる年齢では賛否両論だということです。
反対する理由=小さな子供には音楽に親しませたり、舞踊の楽しさ、その子供の内気な何かを引き出すのが精一杯なのに、親を満足させるような芸を仕込もうとすると、本来あるべきカリキュラムが達成できなくなります。
一年のほとんどを詰め込み式におさらいさせないといけなくなるのです。発表会のためのレッスン、単に教師とスクールは無能ではないと信じてもらうためのイベントに堕落しないとも限りません。
賛成する理由=どんなに芸が拙くとも、幼心に舞台の経験を通して両親や祖父母、おじちゃま、おばちゃまに誉めていただいた嬉しさと心の高揚は必ずや何らかのメリットを引き出します。
小さい頃に胸に焼きついた憧れや感動というのはその後にどんなに求めてもこれを勝るものとは言い難いこともあります。親の立場からも滑っても転んでも子供の舞台というのは愛らしく、誇らしく、いじらしくもあり、そうした時間と思い出を胸に刻む幸せは、やはりあっていいのではないかと思うのです。
よって私の心は揺れます。ただし、子供に二つも三つもお稽古事をさせている家庭や、共働きや遠隔からの通いだと週に1度のレッスンしかできない人も少なくありません。
そうなると発表会用の振り付けを子供に無理やり詰めこむのは大変に難しいです。
子供というのは覚えが早いですが、忘れるのも非情に早いのです。
よって、発表会は父兄に説明会を開き、賛同を得てから、しかも参加希望する場合のみ、2年に1度行います。
不参加でも勿論構いません。
[父兄見学について]
原則としてレッスンの見学はご遠慮いただいています。
その理由は
1.親御さんの中にはレッスン中に子供を不甲斐ながって叱責する方がたまある。=親に見ていられるからこそ、上がってしまうのに気づかない。
2.見学する父兄は毎回一人だけだとしてもさみだれ式に誰かしらがいつでも見学している事になり、他の子供達が落ちつかない。
3.子供が親を意識して教師とレッスンに没頭できない。
体験レッスンこそ本当に自分の子供がちゃんとやるか見たいという希望が多いですし、もっともだと思いますが、始めてのレッスン、始めての場所、知らない先生と知らない子供達の中に突然入って、しかも自分の親にじっと見ていられてはつらつとレッスンできる子供は10人に一人もいません。子供がちゃんとやるかどうかは担当の先生に任せていただきたいですし、後で教師の意見とお子さんに感想を聞かれる事で結論を見出していただきたいです。
ただ、発表会もなく、見学もできないとなるといかにも親として淋しいですし、物足りないことと思います。
よってカリキュラムに支障がない時期に不定期で、父兄見学の日を定めます。
この時はカメラ、ビデオの持ち込みも、親戚の見学も許可しています。
また年に1度のアカデミーパーティに親子で参加することもできます。
参加、不参加はこちらも自由です。