私は舞踊のプロなので、理屈や科学的ななにがしかの理由というものなしで、
なんとなく自分の体のすみずみまで感覚として分っていることが多い。
これは言葉では説明できない。
踊り手は長い年月の経験で自分の体に何が必要で何が不要か、ちょっとした時に感じるいつもと違う感覚は危険信号か、もっと行け!のGOサインかが大抵分るものなのだ。
少しくらいの不調は自分で直してしまうし、医者に言われる前にどうもおかしいという事が分る。ビタミンが行き渡っているか鉄が不足か、そういうことも測定なしで、あるいは自分では意識して考えもしないでなんとなくピンと来たりする。
プロの感覚、匙加減というものかも知れない。
ただし、ここ一、二年どうしても良くわからなくて心にわだかまっている事があった。
専門のフラメンコについては今までの知識とか方向性に加速度がついてどんどん向上している気がしている。どの振りもみんな血肉として消化されていて何の無理も作為もない。踊っている時の気分は爽快で呼吸するように全てが調和されている感覚なのだ。
自分が極めつつあるというか、向こうが寄り添って来ているというか、今までは苦痛も確かに伴った筈の稽古が、基本練習にしても自然で淀みがない。
これから最盛期に行くのかな?という気がしていた。
それなのに何だか足りない感じがする。
予感としてどこか間違っているんじゃないかという疑いが晴れない。
そしてそれが何なのか誰に相談しても分らない。
果てはスペインのスポーツマン、コーチ、バレエ仲間から、強迫観念なんじゃないかとからかわれる始末。
でも自分の最も信頼している自身の感覚が信号音を送って来るのだ。
どうしようか....放置できない。
そこから体の鍛え方が足りないのではないかと漠然と自分で診断を下した。
こんなに踊っているのにどうしてそう診断したかな、とは思ったのだけれど踊りの分野の不足ではないと断定するとそれしか残っていない。
太り過ぎでも痩せ過ぎでもなく、医者はこんなにあらゆる検査の数値が感動的な人は滅多にいるものでないと激賞してくれる。とりあえずお医者方面はオーケーだ。
柔軟な体なのだから残りの疑いを向ける分野は筋肉しかない。
筋肉も強そうだけど、ここが一番自己流でやっているところだ。
弱い分野は、専門家、それも今度こそとびきりの人にちゃんと聞いてみないと!
強迫観念なんて言われてもうなずけない。
岩崎トレーナーに巡り会った所までの長い道のりは省略する。
実は私の芸歴を見るなりあなたなんか自分でなんでもできるでしょう?と一端断られてしまったのを何日もかかって追いすがり、泣きつき、膝に取りすがって(?)お願いしたのがこの夏だ。
あまりのしつこさに辟易として多忙なお時間を取って下さった。(こんなに頑張ったのは何十年ぶりか知れない!やれやれです・ダメかと思った)
そこは日本男児の鑑ですから、一端引き受けたら私がたじたじしてしまうような屈強な専門家をあと数人、お願いして下さり、徹底的に解明して下さった。
目下、プログラミングしていただいたメニューで正しい筋トレに取りかかっている私です。これから一定の周期で処方していただく事になって(監視つきのトレーニング!)舞踊家だってスポーツマン並の根性が(全然ないのに)あるところを証明しなくちゃ、と(自信なく)決心して奮い立っているところです。
結論から言えば、やはり専門家に相談しただけの事はありました。
T.近年解けなかった謎が阿部トレーナーの一言でガアーーーーーーん!!と割れた感じでした。
U.筋トレの概念と実行の定義が思っていたのと違いました
V.やり方が甘くて効果が上がっていませんでした
次回の更新でもT〜Vを打ち明けます。皆さんのご参考にすべく、自分が解剖台に乗る事にします。
とりあえず何度も私のエッセイやBBSにお名前を登場させてしまっている二人のトレーナーの略歴をここにご紹介しておきます。
こうした専門家の他に、コーチという存在もあり、舞踊分野から言うと実にものものしい感じがしました。
選手の筋力アップと健康管理、コントロールにあらゆる助言と処方をしてくれます。
私が読んだ数々のこの分野の論文などは、ダントツで筑波大学の専門家のものが多かったです。
筑波大学にはスポーツのサポート面での専門過程が確立しているようです。近年知ったところでは東海大学も盛んのようでした。
勉強会や公演も多く発表されていますから時間の都合がつけば参加してみるのも楽しいかと思います。
岩崎 由純トレーナー
1959/10/10山口県徳山市出身
日本体育大学卒業後、シラキューズ大学に留学
所 属:NECレッドロケッツ(女子バレーボールチーム)アスレティック・トレーナー
資 格: NATA(全米アスレティック・トレーナーズ協会)公認アスレティック・トレーナー
JATO(日本アスレティック・トレーナーズ機構)副会長
経歴(経験・職歴)
1983年 スポーツ・フェスティバル(コロラド・スプリングス)
1984年 ロスアンゼルス・オリンピック(メーカー派遣)
1984〜85年 オリンピック・センター(コロラド・スプリングス)
1985年夏 フィラデルフィア・イーグルス夏合宿参加
1989〜90年 全日本ジュニア・バレーボールチーム帯同トレーナー
1991〜92年 全日本バレーボールチーム帯同トレーナー(バルセロナ)
1986年〜現在 NECバレーボール部アスレティック・トレーナー
[著書、ビデオ]
アーンハイムのトレーナーズ・バイブル(翻訳)(医道の日本社)
ひとりでも簡単にできるテーピング(成美堂出版)
スポーツ留学inUSA(三修社)
ウエイト・トレーニング・ビデオシリーズ 全14巻(丸善)
バレーボール・コンディショニング・エレメンツ 全5巻(ジャパンライム)
岩崎トレーナーのHPhttp://www5d.biglobe.ne.jp/~b-happy/index.htm
私達のサイトファンのために怪我の相談に答えて下さるというあり難いURL↓
http://www.volleyball.ne.jp/cgi-bin/Trainers/yybbs.cgi
朝の6:45なんかに勉強会を開いていたりするのです。私も今度絶対に参加させていただくつもりです。本当にこの分野の方は皆さん勉強熱心なのだと感動しました。そして凄い早起き!(...低血は言い訳にならないかなぁ)
阿部 佳之トレーナー
1985年 筑波大学体育専門学群卒業 後に横浜YMCA水泳専任講師
1988年 プロ フィンスイマー契約 (株)オカモト所属 バルセロナオリンピックを目指す。
4年後 フィンスイミングがオリンピック種目に採用されず、契約を解除する。
1992年 (株)社会体育開発研究所 スポーツクラブの開発に従事。
1994年 フィンスイミング世界選手権に向け再度プロ契約。
1995年 第5回フィンスイミング世界選手権中国大会で日本記録達成
総合順位14位 予選10位 50mAP スプリント
2000年 スペインマジョルカ島で開催されたフィンスイミング世界選手権に出場
1996年〜 (株)NFクリエイト(現:(株)メガロス)鶴川緑山倶楽部にてパーソナルトレーナーに従事。現在に至る。
整形外科的な傷害を持つ人に外科手術なしで保存療法や、リハビリテーションにて改善してしまったり、生活習慣病に悩む人の指導に抜群の研究と博識で知られる。
阿部トレーナーのいらっしやる鶴川緑山倶楽部は、個人の悩みやトレーニング方法を親切に指導してくれるのが特徴ということです。
詳細とお問い合わせは直接スポーツクラブ:http://www.megalos.co.jp
近年もスイス にて水中の理学療法的なトレーニングを受けるなど、これまでの輝かしいご自身の選手活動や専門分野の経験に加えて常に向上研究に余念のないトレーナー。競技選手は勿論、健康づくり・ダイエットや傷害を持つ方のリハビリテーションに至るまでトレーニングに対する要望に応えて下さる。
「たくさんの皆さんの幸せな人生に寄与したいと考えています」とおっしゃっています。
小田急鶴川に寄れる方は、ここにこういう立派なトレーナーがいらっしゃるのでご参考までに。
著書:「股関節症15年の歴史」 渡辺千賀子、山崎誠、阿部佳之共著 九段社
近々続編として股関節の本が出る予定。
私のようにスポーツ系ではなくてもかなり本気で筋トレの必然を認めてそれなりにあちこちで習った者でも、やり方が微妙に正確でなかったので、始めはちゃんとした方に見ていただく事をお勧めします。
見捨てられないように、やっぱり本気でやらなくては!!