１２月の集中レッスンを終えて、
根城のセビージャに帰ってきた。
もうすぐ２０００年でもあるし、
集中レッスンを始めて今年で１０年だから、
珍しく殊勝に振り返って
考えてみる事にしよう！

　フラメンコに行き詰っている人が
知らず知らずに集まって、
日本全国の規模で
北から南から集まってきて始まったのが、
私の集中レッスンだった。
この頃では
外国に住んでいる日本人が
里帰りを合わせて帰国して
受講してくれる。
本当に頭が下がる思いだ。
私を信じてくれてありがとう。
心を込めて一人も見逃さず
教えてあげなくては。

　一口に「基本」と言ったって
なかなか身につくものではない。
「どこがどうまちがっていて、どうやるのか。」
という事を早期に発見して
直してあげないと大変な事になる。
悪いクセのまま修業してしまうからだ。
私は団体レッスンでも
必ず傍に行って
手取り足取り直してあげないと気が済まない。
こちらの手抜きで生徒が伸びなかったら犯罪だ。

　一番多いクセに、
中腰になって足をやる
というのがダントツだ。
「サパテアードをプリエをした状態でやれ。」
と仕込まれている人の
なんと多い事か！！
ザッと３人に２人はこう仕込まれている。
驚くべき傾向だ。
「開かれたアカデミー」をモットーとする私は、
外部の生徒を沢山受け容れている。
だから、よそで習っていた人、
よそに在籍している人が大勢来る。
「お願いだからその先生の名前を私に言わないでくれ。」
と、哀願する。
プリエで足をやらせる先生が誰なのか
知りたくない。

１）プリエをしてサパテアードをやってはいけない。
絶対にダメだ。
　舞踊生命があっという間に
終わるくらいに良くない。
２）力いっぱい足の練習をするのも
その次くらいに重罪だ。
　足は力を抜いて
軽くやる修業を積まないといけない。
力を入れるのはその次だ。

１と２を読んだだけで
ヘェーっと驚く人がいるのかもしれない。
それくらい日本では
この逆を徹底して教え込む所が多いらしい。
人が何を信じようと、
その人の自由だ。
だから私はその事実には
ただ驚くだけに留める。
けれども、１と２が真実である事には、
自分の３０年のキャリアを全部かけてもいい。
だから、練習生に呼びかける。
「気をつけて！！間違った方法でやると１０年がムダになる！」

　年に３回開校する私の集中レッスンで、
ほとんど毎回必ず１人は
ショックで顔が青ざめるか、
泣く人がいる。
７年も８年も間違った方法で、
しかも根性入れて
稽古を積んできてしまった人だ。
とてもおいそれとは
抜けないクセになってしまっている。
こちらの胸もつぶれる思いだ。
あんまりこういう例が多いので
入門クラスを作ったくらいだ。
本当の第一歩から
きちんと指導したら
どのくらいまっすぐな道を
近道で行けるか
見てみたかったからだ。
その一期生は、
今上級クラスに上がってきている。
２年で、連続のコントラティエンポができ、
バストンのマルティネーテに入っている。
悪くない。そのうち、みんな引き連れて
スペインで公演してやろうと思っている。
驚くだろうな・・・・スペイン人は。

　今回の帰国中に６才の女の子が１人入った。
わっ！大変だ。
早く同じような年の子を
３〜４人集めなくっちゃ。
１人で大勢の大人の中に居たら
飽きてしまう。
スペインでは
子供を９０人も教えているのだが、
日本ではこの子が初めてだ。
育ててみたい！
そのためにはお友達がいる。
このインターネットをご覧になって、
お子さんを入れてみたいと思ってくださる方、
どうか連れてきてみてください。
勿論、割引にして、
心を込めて教えます。
子供の握力に合うカスタネットを
スペインで特別に作らせ、
私からプレゼントします。
とりあえず、日曜の１１−１２時に
無料体験レッスン
受けてみてください。
１人目の子が飽きないうちに
早く仲間を作ってあげたい一心です。

　色々な人が来てくれて本当に嬉しい。
この間電話で「５０歳なんですが、
いいでしょうか？」
と何度も打診する女性がいて、
５０歳ってそんなに不安になる年なのだろうかと、
この女性に会うのが待ち遠しかったくらいだ。
会ってみたら、
お肌もツルツルで、
まだまだとってもきれいで、
「これなら５０歳になってもいい。」
と思ってしまったくらいで、
こっちが元気が出てしまった。
この人のバタ・デ・コーラ姿を是非見たい。

・・・で、今、６歳から５０歳の役者がそろった。
なんだかとっても嬉しい。
一人っ子に大家族が出来たみたいに
ワクワクする。
昨日、日本から帰ってきたばかりで、
頭はボーっとしている。
でも、今日の午後から２０００メートル泳ぐぞ！
おちおちしていられない。
だって、やたらと舞台イメージが湧いてきて
すごく頑張れそう。
楽しみだナ、来年が。